「ありえない。波乱がない。裏の顔を要求する」美人で勝ち気な侯爵令嬢キャロラインの夢は、黒髪に黒い瞳のエキゾチックな美少年……もとい美青年と恋愛結婚すること。だというのに、父親にいきなり結婚が決まったと告げられる。どうやら、どこぞの伯爵にひとめ惚れされたらしい。父曰く、その伯爵は温厚な常識人であるらしく、理想とかけ離れた相手との結婚に憤慨したキャロラインは婚約破棄を画策する。勢いのままに結婚相手のスタンフォード伯ヘンリー卿の屋敷へ赴くが……なぜか“自由恋愛”をすることになってしまい? しかも、婚約破棄、できてない? いいえ、結婚なんて絶対にしません!絶対に嫌われてやると、昼行灯な伯爵を相手にさまざまな作戦を考えるものの、キャロラインの嫌われ策は難航。罵っても罵っても、ヘンリーはまるで怒らない。それどころか笑みを深め、うっとりとキャロラインを見さえする始末。ふと気づけば外堀を埋められ、余裕がなくなってきたキャロラインは起死回生を図ることにしたのだが――。婚約破棄を目指す夢見がち令嬢と、猫好きが高じてちょっとあぶない腹黒伯爵の、年の差ヒストリカルラブロマンス。
「わたくしはあなたの妻の座を所望いたします」婚約破棄をしたいのに、なぜだかスタンフォード伯ヘンリー卿と“自由恋愛”中の公爵令嬢キャロライン。ヘンリーに嫌われたいのに失敗続き。ヘンリーの茶色のタレ目には、どんな姿も魅力的に映るらしい。あげくに、秘密の早朝の散歩(変装ver)までバレてしまって、大混乱! しかも、ヘンリーに「過去の女」がいたことを知り、キャロラインの思考回路はパンク寸前。ヘンリーに嫌われたいのに、ヘンリーに誤解されたくない! 「過去の女」にはどんな笑みを向けていたの? この気持ち、いったいなんなの!?着々と外堀を埋められていくキャロラインだったが、ヘンリーが抱えていたトラブルに巻き込まれ、ヘンリーから婚約破棄されてしまう。あんなに待っていた婚約破棄だというのに、もはやキャロラインは喜べず、自分の本当の気持ちをヘンリーに告げる。しかし、ヘンリーの返答は思いもしない冷たい響きのあるものだった――。「では、私と犯してみますか? 過ちを」婚約破棄を目指す夢見がち令嬢と、猫好きが高じてちょっとあぶない腹黒伯爵の、年の差ヒストリカルラブロマンス。
「教えてくださるのでしょう? その……男性のことを。た、楽しみだわ」おだやかな笑みから変貌して、冷徹な表情を見せるヘンリー。婚約破棄を受け入れず、一歩も引かないキャロラインを秘密の屋敷へと連れていく。そこは、かつてヘンリーの父が愛人を囲っていた忌まわしい場所であり、ヘンリーが愛する○○が暮らしていた場所でもあった。大人の女性として扱ってほしい一心でついてきたキャロラインだったが、屋敷の中のしつらえや、何に使用するのかよくわからない“鉄の筒”に困惑してしまう。そんなキャロラインに感情の読めない笑みを浮かべ、ヘンリーが告げる。「脱いで、キャロライン」うろたえながらも、コルセットの紐に指をかけるキャロライン。背徳の匂いに動悸が早くなっていき――。気づいたときには、シュミーズは足元に落ちていた。婚約破棄を目指す夢見がち令嬢と、猫好きが高じてちょっとあぶない腹黒伯爵の、年の差ヒストリカルラブロマンス。