男の人の……大きいもの。で、どこかに入るもの? 人狼族への輿入れを控えた姫君に、あらぬ相談をされてしまった教育係のファンニ。しかし、色っぽい話どころか恋愛経験ゼロの彼女には、いまいち意味が分からない。思い余った彼女は、人狼騎士のバラージュに相談することした。……恥ずかしがり屋の彼が、狼に豹変するとも知らず――!
「ありえない。波乱がない。裏の顔を要求する」美人で勝ち気な侯爵令嬢キャロラインの夢は、黒髪に黒い瞳のエキゾチックな美少年……もとい美青年と恋愛結婚すること。だというのに、父親にいきなり結婚が決まったと告げられる。どうやら、どこぞの伯爵にひとめ惚れされたらしい。父曰く、その伯爵は温厚な常識人であるらしく、理想とかけ離れた相手との結婚に憤慨したキャロラインは婚約破棄を画策する。勢いのままに結婚相手のスタンフォード伯ヘンリー卿の屋敷へ赴くが……なぜか“自由恋愛”をすることになってしまい? しかも、婚約破棄、できてない? いいえ、結婚なんて絶対にしません!絶対に嫌われてやると、昼行灯な伯爵を相手にさまざまな作戦を考えるものの、キャロラインの嫌われ策は難航。罵っても罵っても、ヘンリーはまるで怒らない。それどころか笑みを深め、うっとりとキャロラインを見さえする始末。ふと気づけば外堀を埋められ、余裕がなくなってきたキャロラインは起死回生を図ることにしたのだが――。婚約破棄を目指す夢見がち令嬢と、猫好きが高じてちょっとあぶない腹黒伯爵の、年の差ヒストリカルラブロマンス。