あらすじ

調教師から「直接会って話がしたい」といわれ、風間は連勝中で絶好調のビッグエスケイプの身を案じる。だが、今後のローテーションの確認として、ライバル・ザテイオーとの直接対決は青雲賞にしたいと伝えられ、次走に予定していた特別1400m戦を回避することが確認されただけだった。この日の本題というのは、1勝はしたものの、その後は2桁着順が続くワールドトラベラーの処遇についてだった。地方競馬の騎手学校から引き取りたいとの申し出があったのだ。
魅惑の砂(ダート)(1)

馬に夢を託したサラリーマンの物語。真菊建設に勤める風間と植田は大の競馬好き。彼らの夢は“馬主”になること。しかし、馬主になるには年収2000万円+固定資産1億4000万円という資格がいるため、フツーのサラリーマンの彼らにとって、それは夢のまた夢だった。ある日風間は、東京競馬場でキクノサンデーという馬を単勝で当てる。大喜びの風間。しかしその馬は、彼らが勤める真菊建設の会長の息子・菊竹和之の馬だった。さっき馬主ロビー前の廊下で和之にケリを入れられたばかりの風間は…。

魅惑の砂(ダート)(2)

風間らの夢をのせた馬「キョウユウメンバー」のデビュー戦は、惜しくも4着に終わった。初戦勝利の夢は破れたものの、馬主の実感を新たにした風間は、第2戦での勝利を願う。果たして、「キョウユウメンバー」は初勝利を飾ることができるのか!

魅惑の砂(ダート)(3)

風間らの所有馬“キョウユウメンバー”は京王杯3歳Sで、見事2着になった。しかし、そのレースの翌日、永福調教師から風間のもとに「キョウユウメンバーを買いたいという、中央馬主が現れた」という内容の電話が入った。突然の申し出に風間らは驚き、迷う。そして、風間ら共有馬主たちは“馬主の幸福”より“馬の幸福”を選ぼうと決めた。

魅惑の砂(ダート)(4)

風間達の共同所有馬“ワールドトラベラー”はTCK第4戦目にして初勝利をあげたものの、その後の成績は低迷。「連戦の疲れが出ている」という永福調教師の判断により現在、北海道で休養中。しかし、もう一頭の共有馬は、“良血”メジロマックイーンの仔の3歳馬は、すでに入厩し順調に乗り込まれていた。そして、その馬名も風間によって“ビッグエスケイプ”と名付けられた。この“ビッグエスケイプ”は以前、菊竹がキャンセルした牡馬だったが、これを知った菊竹はどうも面白くない。そこで、菊竹は風間達の「夢」の邪魔をしようと考える。そして、菊竹は自分の部下の佐古田らを良血“サンデーサイレンス”の参駒の共有馬主に仕立て上げ、“ビッグエスケイプ”の刺客としてTCKへ送り込むのだった!

魅惑の砂(ダート)(5)

調教師から「直接会って話がしたい」といわれ、風間は連勝中で絶好調のビッグエスケイプの身を案じる。だが、今後のローテーションの確認として、ライバル・ザテイオーとの直接対決は青雲賞にしたいと伝えられ、次走に予定していた特別1400m戦を回避することが確認されただけだった。この日の本題というのは、1勝はしたものの、その後は2桁着順が続くワールドトラベラーの処遇についてだった。地方競馬の騎手学校から引き取りたいとの申し出があったのだ。