あらすじ杉村と幸子は取材を重ね、地震の前日、男鹿ホテルにカナダでレストランを経営するマーレー夫妻が来ていたことを知る。ホテル自慢の磯焼きに舌鼓をうった夫妻だったが、翌日、夫人が津波に呑まれ、帰らぬ人となってしまっていた…。地震による津波で、かけがえのない人や、多くのものを失ってしまった人たちの、苦悩とドラマ…様々な想いが交錯し、ついに完結です。
矢口先生が災害を元にして描いたものとしては、三毛別羆事件の『羆風』が有名だと思うが、こちらも壮絶だった。 当時の新聞や写真、聞き取りによる実体験に脚色を加えたドキュメンタリーになっており、単に分かりやすいとか読みやすいというだけでない、語り手としての力を持った作品になっている。