あらすじ上海亭の出前青年へカツレツについて文句を言った娼婦は、上の階で鼻歌を歌いながら客とエッチしている妹分の娼婦・ハマ子に舌打ちする。その後、ハマ子の客からハマ子が腹痛で苦しんでいると知らされた娼婦は、盲腸だと訴えるハマ子を客と一緒に病院へ連れて行く。一方、腹が痛くて病院へ行ったのに逃げ出したキヨシは、盲腸だと思い込む母親や家族に手術するように言われるが……!?
村岡栄一の「去年の雪」に滝田ゆうが登場していましたが、名前は知っているけれど読んだことがなかったので、これを機に初めて読んでみました。 読み始めは西岸良平やつげ義春みたいな漫画なのかな〜と思っていたのですが、だんだんと「ここって色街なんだ」「家族で飲み屋を営業していてカウンターに立ってるのはお姉ちゃんなんだ」「えっ戦時中なの?!」という事が分かっていくにつれて見る目が変わっていきました。 自分も主人公のキヨシみたいにぼんやりとした子供だったので感情移入して読んでいたのに、ラストで急に疎開に行くことが決まり、かと思いきや空襲で街も店も全部焼けてしまうという展開にただただ驚きました。しかも読後にこれが半自伝的作品であることを知ったので更に衝撃です。でも戦時中なのに全然ギスギスしてる描写がないしオチも明るいから、何度でも読み返したくなるなと思いました。 西岸良平やつげ義春との違いはなんだ?と聞かれたらまだはっきりと答えられないけど、何作か読み込んで考えてみたいと思いました。