あらすじ

昭和3年創業、上野駅前にある大衆食堂「衆楽苑」。メニューは和洋中華と何でもあり、地方から出てきた若者、お年寄りや子供連れなどいろいろな人が訪れる。そんな食堂で起こる客とウェイトレス、見知らぬ客同士のさまざまな人間模様、人生ドラマを人情味豊かに描いた小山田いくの連作短編集。長野県鬼無里(きなさ)より上京して働く印刷工・吉岡が休みの日、遊びの終わりに訪れるのはきまって「衆楽苑」だった。親子丼を口にしながら、日常を思い返す。仕事に慣れず胃潰瘍を患った吉岡だが、故郷には帰りたくない理由があった……。第1話「赤い爪」から第12話「黒塗りの壁」までを収めた第1巻。

昭和3年創業、上野駅前にある大衆食堂「衆楽苑」。メニューは和洋中華と何でもあり、地方から出てきた若者、お年寄りや子供連れなどいろいろな人が訪れる。そんな食堂で起こる客とウェイトレス、見知らぬ客同士のさまざまな人間模様、人生ドラマを人情味豊かに描いた小山田いくの連作短編集。長野県鬼無里(きなさ)より上京して働く印刷工・吉岡が休みの日、遊びの終わりに訪れるのはきまって「衆楽苑」だった。親子丼を口にしながら、日常を思い返す。仕事に慣れず胃潰瘍を患った吉岡だが、故郷には帰りたくない理由があった……。第1話「赤い爪」から第12話「黒塗りの壁」までを収めた第1巻。

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「衆楽苑」は、どの年代の客が訪れても口に合う味を守っているという。上野駅に新幹線ホームが新設され大きく姿を変えたのに対し、「衆楽苑」は昔と変わらない居心地の良さを保っている。だからこそ、人はそこに戻りたくなるのだろう。ある夏、就職活動をあきらめたアイコは、初めて出会った男女3人と5日間を遊んで過ごした。夢のように楽しかったけれど、一緒に過ごしたみんなの本名をついに尋ねることなく別れた。もしかすると最後に食事した「衆楽苑」に行けば、また会えるのかもしれない。そんな思いを胸に「衆楽苑」を訪ねるが……。大学生のひと夏の思い出を描いた「さめないうちに」から最終話「いつかまたあの店で」、特別収録作品「さんさ橋」を収めた第2巻。小山田いくのセンス溢れる佳作が並ぶ。

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