あらすじ
人口六百人の小さな島に住む少女・花奈は、島の子どもたちに向けて朗読会を行うほど朗読が好きだった。花奈の“読み”に人を惹きつける力を感じた瑞希は、自身が部長を務める放送部への入部を誘う――。朗読の技術を学ぶことはもちろん、普通の学校生活も花奈にとっては未体験なことだらけ。放送部のメンバーたちと様々な“はじめて”を経験し、少しずつだけど前に進んでいく。
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人口六百人の小さな島に住む少女・花奈は、島の子どもたちに向けて朗読会を行うほど朗読が好きだった。花奈の“読み”に人を惹きつける力を感じた瑞希は、自身が部長を務める放送部への入部を誘う――。朗読の技術を学ぶことはもちろん、普通の学校生活も花奈にとっては未体験なことだらけ。放送部のメンバーたちと様々な“はじめて”を経験し、少しずつだけど前に進んでいく。
人口六百人の小さな島に住む少女・花奈は、島の子どもたちに向けて朗読会を行うほど朗読が好きだった。花奈の“読み”に人を惹きつける力を感じた瑞希は、自身が部長を務める放送部への入部を誘う――。朗読の技術を学ぶことはもちろん、普通の学校生活も花奈にとっては未体験なことだらけ。放送部のメンバーたちと様々な“はじめて”を経験し、少しずつだけど前に進んでいく。
離島で子供達に朗読を聞かせていた花奈(はな)は、高校生になり本土の学校の放送部に入る。当初は入部を渋っていた花奈を熱心に誘った二年の瑞希は、少しずつ花奈を前向きにさせる。 島の子供の最年長として、我を抑えてきた花奈の本当にやりたい事、心からの願いを引き出してゆく瑞希。大好きな「朗読」のために少しずつ前を向き、手を取り前に進もうとする二人の遣り取りにドキドキしてしまう。 狭い土地にいても、熱烈に外へ出たいと願う人と、そこにいる事を疑わない人と、二種類いる。その差は、外に「惹かれるもの」があるかどうか。花奈が惹かれたものは、昔見た子役の朗読。そのとてつもない実力は、外へ飛び出す花奈の道のりを険しいものとしそうだ。 現実世界に朗読がもたらす幻視、耳から心を震わせる声の力の表現が楽しい。朗読の魅力も熱血系文化部・放送部の内幕も伝えて、胸は高鳴り続ける。花奈と瑞希の二人は遥かなる目標に辿り着くのか?前を向いたばかりの花奈の静かな闘いは、ようやく始まったところだ。