人口六百人の小さな島に住む少女・花奈は、島の子どもたちに向けて朗読会を行うほど朗読が好きだった。花奈の“読み”に人を惹きつける力を感じた瑞希は、自身が部長を務める放送部への入部を誘う――。朗読の技術を学ぶことはもちろん、普通の学校生活も花奈にとっては未体験なことだらけ。放送部のメンバーたちと様々な“はじめて”を経験し、少しずつだけど前に進んでいく。
NHK杯全国高校放送コンテスト、通称Nコンに向けて自身が読む課題図書を決めなければいけない花奈。先輩たちにアドバイスを受けながら、自分の“好き”という気持ちに素直に決めることにしたが、勝つことを重視する杏と対立してしまう。それでも“好き”という気持ちを大切にしたい花奈は、杏に認められるように猛練習を重ねる――。
Nコンに向けて各自が出場部門を決めた花奈たち放送部メンバー。練習に励む花奈だが、アナウンス部門を選んだ松雪から自身を取材されたり、ビデオドラマ部門を選んだ萩大が撮るオリジナルドラマで演技デビューも!? 朗読だけでない放送部の作品作りを通して皆と少しずつ関係を深めていく中、憧れの修羅の舞台があると知り――。
Nコン用のオリジナルドラマ撮影を無事に終えた花奈たちだが、動画編集でまさかの問題が!? そして、息つく暇もなく他校との合同練習会が始まり、そこには個性あふれる様々な放送部員たちが! 新たな出会いと体験に心弾む花奈だったが、そこで新たな課題に直面して――。
Nコンへ向けた他校との合同練習会で、新しい壁に直面し悩む花奈。一方、実家から届いたある知らせが、瑞希の心に波紋を起こす――。大会本番を直前に控え訪れる思わぬ試練とは――?
いよいよはじまるNコン京都大会予選! 花奈の発表順は、なんとぽここと二つ違いで、ますます緊張は高まるばかり。一方、瀬太郎は発表直前、過去の苦い記憶に囚われて…!? それぞれが迎える本番、その結果は!?
無事に京都大会決勝へ進出した花奈たち。本番前に発表された課題文は、花奈がまだ読んだことのない梶井基次郎の『檸檬』だった。一度は作品を読むべきかと迷う花奈に、杏が…!? 出場者たちの、過去への想いとゆずれぬ覚悟。その全てをのせた声が、決勝の舞台に響き渡る…!!
離島で子供達に朗読を聞かせていた花奈(はな)は、高校生になり本土の学校の放送部に入る。当初は入部を渋っていた花奈を熱心に誘った二年の瑞希は、少しずつ花奈を前向きにさせる。 島の子供の最年長として、我を抑えてきた花奈の本当にやりたい事、心からの願いを引き出してゆく瑞希。大好きな「朗読」のために少しずつ前を向き、手を取り前に進もうとする二人の遣り取りにドキドキしてしまう。 狭い土地にいても、熱烈に外へ出たいと願う人と、そこにいる事を疑わない人と、二種類いる。その差は、外に「惹かれるもの」があるかどうか。花奈が惹かれたものは、昔見た子役の朗読。そのとてつもない実力は、外へ飛び出す花奈の道のりを険しいものとしそうだ。 現実世界に朗読がもたらす幻視、耳から心を震わせる声の力の表現が楽しい。朗読の魅力も熱血系文化部・放送部の内幕も伝えて、胸は高鳴り続ける。花奈と瑞希の二人は遥かなる目標に辿り着くのか?前を向いたばかりの花奈の静かな闘いは、ようやく始まったところだ。
※ネタバレを含むクチコミです。
離島で子供達に朗読を聞かせていた花奈(はな)は、高校生になり本土の学校の放送部に入る。当初は入部を渋っていた花奈を熱心に誘った二年の瑞希は、少しずつ花奈を前向きにさせる。 島の子供の最年長として、我を抑えてきた花奈の本当にやりたい事、心からの願いを引き出してゆく瑞希。大好きな「朗読」のために少しずつ前を向き、手を取り前に進もうとする二人の遣り取りにドキドキしてしまう。 狭い土地にいても、熱烈に外へ出たいと願う人と、そこにいる事を疑わない人と、二種類いる。その差は、外に「惹かれるもの」があるかどうか。花奈が惹かれたものは、昔見た子役の朗読。そのとてつもない実力は、外へ飛び出す花奈の道のりを険しいものとしそうだ。 現実世界に朗読がもたらす幻視、耳から心を震わせる声の力の表現が楽しい。朗読の魅力も熱血系文化部・放送部の内幕も伝えて、胸は高鳴り続ける。花奈と瑞希の二人は遥かなる目標に辿り着くのか?前を向いたばかりの花奈の静かな闘いは、ようやく始まったところだ。