あらすじ高校3年の冬。大学の推薦入学を勝ち取った涼子はカースト最上段にいた莉子とのうわべだけの友情を断ち切ることを決める。一方で莉子の幼なじみで「地味子」と苛められている絵美と出会う。絵美は莉子に対して歪んだ愛情を持っており、卒業前の2人の歪な協力関係が生まれる…思春期ラプソディ!
主人公は自分で言う程、悪くない、と思いたい。 高三の冬、彼女は酷く身勝手な「親友」を切り捨てる。その復讐自体は余りにも真っ当に思え、主人公と一緒にこちらも嬉しくなる程だ。しかしそこに、親友の幼馴染が絡まる事で、事態はおかしな方向にエスカレートしていく。 幼馴染の好意じみた感情の闇と、親友の闇。そして二人の根底にいる、今は亡き親友の弟。 闇が暴かれる程に、苦しくなる。主人公の「この二人に、関わるべきじゃなかった」という巻き戻せない絶望を思うと、背筋が凍る。 圧倒的な闇の前に、主人公と共にこちらの冷静さを試されている様な感覚があった。手に負えない闇に飲まれた時、私ならこれ以上何が出来ただろうか? こんな怖い物は、創作物だけで充分だ。