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北陸の、とある港町。漁港の焼肉屋さんで働く、まぁるくて、元気すぎる大阪弁な母・肉子ちゃん。そして、クルミのような可愛い目、痩せっぽちな小学生・キクりんは、毎日を賑やかに生きている……。肉子ちゃんこと「見須子菊子」は、大阪、名古屋、横浜、東京と……仕事を転々。若いころから男運の悪さは抜群で、騙されてばかり。ついには、書き置きを残して蒸発した男を追いかけて、8歳だったキクりんと一緒にこの町に流れ着いた。憔悴しきってたふたりだったけど、小さな街の優しく、クセの強い人たちに助けられながら生活を始めて、早や3年。学校、家族、商店街など、思春期を迎えるキクりんには、大人たちの生き方が少しずつ違って見え始めるのだった……
西加奈子原作のハートフルな少女文学作品。アニメ版の評価が色々と聞こえてきた最中で読みました。漫画版はというと、率直に良い漫画だということは間違いないです。 キクコの心情描写の秀逸さは原作の力もあると思いますが、漫画のモノローグ的な表現と非常に合っていて、作画の杉作先生の温かい作風と見事に融合していると感じました。 杉作先生のこれまでの作品と比べても漫画表現が格段に違っており、作品にかける意気込みのようなものがひしひしと伝わってきますね。