あらすじ15の歳まで、外の世界と接することなく幽閉され、生きてきた少年、トト。少女、真琴と出会い、人間の世界、言葉の世界に導かれていく。そこには言葉を獲得することの喜び、心を解き放てる喜び、愛を知ることの喜びがあった。が、猟奇殺人犯、田野井の「言葉の世界で地獄を見ろ」という呪詛が、にわかに現実味を帯び始める。トトは言葉の世界に翻弄され、何かを失い、そして何かを再び獲得する。