あらすじ

母がいるという島へ渡るため、童児と共に命を賭けた勝負をすることになった翔。その勝負は砂浜に置いたカニが、左右どちらに歩きだすかを当てるという単純なものだった。この勝負に敗れた方は、拳銃で頭を撃ち抜かれてしまう。だが翔は、自分も童児も死ぬことなく、島へ渡れると確信していた。この勝負の結果は…!?アプサラスを巡る最後の戦いが始まる!!
アプサラス(1)

17年前、託児所の前に男の子が捨てられていた。その小さな手に握られていたのは、2の目に1匹の虎が坐る古びた賽(さい)。遥か昔のインドで祈りをこめて造られた、摩訶不思議な象牙の賽である。現在高校生になった翔は、放課後、託児所「ニコニコ園」で働いている。ある日、その「ニコニコ園」で小さなトラブルが起こり…!?賭博の女神・アプサラスの名を冠した幸運のサイコロを持つ翔の、正義のための闘いが始まる!!

アプサラス(2)

「ニコニコ園」に弁当を配達している「ぽっかぽっか亭」の主人・勘一が、翔に「金が必要なんだ。明日のレースの目、教えてくれ」と泣きついてきた。聞けば、競艇で400万円も遣ってしまったという。定期預金と保険を解約、弁当の材料費を使い込み、さらにはサラ金にまで手を出してしまったらしい。だがその裏には、知り合いを装って近づき、うまい話で金を巻き上げる詐欺師のコーチ屋の存在があった。

アプサラス(3)

松浦フードサービスの社長・松浦真吾が「ニコニコ園」にやってきた。現在「ニコニコ園」が入っているビルを本社屋にするため、退去してほしいらしく、移転候補地を用意して話し合いに来たのだ。松浦が提示した移転候補地は、広くきれいで、家賃も安い。「ニコニコ園」にとっては願ってもない好条件だが、園長の太郎は首を縦に振らない。翔を捨てた親がいずれ彼を連れ戻しにやって来るかもしれないからだ。

アプサラス(4)

日本中の名のある博打打ちたちが一堂に会する大がかりな賭場「大花会」が、いよいよ始まる。ここに集まった曲者たちの中には、翔以外にもう1人、アプサラスを持つ者がいるらしい。お響が胴師(親)となって始まった「手本引き」の1本目は、さして荒れもしない静かな展開で終了した。だが翔は、自分に語りかけてくる、もうひとつのアプサラスの存在を強く感じる。

アプサラス(5)

もうひとつのアプサラス「イーグル」を持つ王鋭剣と、互いのアプサラスを賭けて、2つのサイコロの目を当てる「賽本引き」の勝負をする翔。1本目、2本目は一発で当てたものの、3本目になって翔は急に張ることができなくなってしまった。これまで翔に目を教えてきた天竺賽の声が聞こえなくなってしまったのだ。翔は何も張らないまま、ツボを開けるよう頼み…!?

アプサラス(6)

アプサラスタイガーの所有権を賭けて、7人の曲者たちと対戦中の翔。最初の3人を敗り、4人目の相手は家電のディスカウントショップの社長・カッパだ。アジアの某国で行われる彼との対決は「競馬のサカヘコ」。普通の競馬とは逆に、お互い選んだ1頭のうち、どちらがより遅いかを当てるものだ。だが対象となるレースには、既にカッパが工作していた。それに気づいた翔は…!?

アプサラス(7)

これまでに6人の曲者たちを退けてきた翔。最後の対決は響子との、豪華客船内に作られたカジノでの3日間に及ぶ勝負だ。現在ルーレットで対戦中の2人だが、翔の手持ちのチップは響子のわずか1000分の1。この絶体絶命の場面から、手持ちのチップを響子の10分の1まで挽回した翔は、バカラで最後の勝負をする。起死回生はなるのか…!?

アプサラス(8)

母がいるという島へ渡るため、童児と共に命を賭けた勝負をすることになった翔。その勝負は砂浜に置いたカニが、左右どちらに歩きだすかを当てるという単純なものだった。この勝負に敗れた方は、拳銃で頭を撃ち抜かれてしまう。だが翔は、自分も童児も死ぬことなく、島へ渡れると確信していた。この勝負の結果は…!?アプサラスを巡る最後の戦いが始まる!!