あらすじ

社会人となって初めての公式戦となる「講道館杯」に出場した坂本大樹。この柔道界の若き逸材は、強敵を次々に倒して遂に決勝に進出した。その対戦相手となったのは、大樹が憧れている大学の柔道部の先輩の高木誠次だった。「講道館杯」の決勝という、晴れの舞台で憧れの先輩と戦うというのは、本来は名誉のはずだった。しかし、高木は前の試合で左腕を負傷していたのだ。片腕しか使えない先輩との対戦に戸惑う大樹は、どうしても本気で戦えないでいたのだが……。
大樹の道 1巻

学生柔道選手権で優勝しながらも、今は一介のサラリーマンにすぎない坂本大樹。質実剛健で心優しい彼が、周囲に反対されながらも、背負い投げ一本にこだわって世界を目指す姿を描く。坂本大樹は八州製鉄柔道部員。学生柔道選手権で優勝した日本柔道界のホープだ。彼は喫茶店で大学時代の先輩・高木を待っていた。高木はかつて一本背負いでならした名選手だが、現在はなぜか柔道から身を引き、神奈川県警の一刑事として生活している。大樹との約束をうっかり忘れていた高木は、6時間後に待ち合わせの場所に行き、ずっと待ち続けていた大樹の素直さに驚く。一本背負いという技にこだわる大樹は、自分の柔道を世界に通用するレベルに引き上げるため、高木にコーチを依頼する。高木はリスクの多い“一本背負い”に執着するなと諭すが…。

大樹の道(2)

西条大学での出稽古の帰り、大樹と大山は食事をしに新宿歌舞伎町に向かう。腹もふくらみ、早速帰って練習をしたい大樹だが、酔っぱらった大山は「息抜きだ」と言ってソープに入ってしまう。仕方なく大樹は店の外で大山を待つのだが…。

大樹の道(3)

ポイントを奪ったあとは、まったく攻めようとせず、とにかく時間を稼いで逃げ切るという相手の掛け逃げ作戦で、講道館杯は準決勝敗退となってしまった大山。その夜、努めて明るく振る舞う大山を大樹たちは励ますが、そこで大山は「オリンピックは本当に選ばれた者しか味わうことができない、特別な大会だ」と大樹に説く。

大樹の道(4)

社会人となって初めての公式戦となる「講道館杯」に出場した坂本大樹。この柔道界の若き逸材は、強敵を次々に倒して遂に決勝に進出した。その対戦相手となったのは、大樹が憧れている大学の柔道部の先輩の高木誠次だった。「講道館杯」の決勝という、晴れの舞台で憧れの先輩と戦うというのは、本来は名誉のはずだった。しかし、高木は前の試合で左腕を負傷していたのだ。片腕しか使えない先輩との対戦に戸惑う大樹は、どうしても本気で戦えないでいたのだが……。

大樹の道(5)

大樹らは、先輩・大山の母が危篤だという連絡を受け、大山に同行し彼の実家に向かった。しかし、大山の母は元気に彼らを出迎える。戸惑った大山は父から、母が自分のことをいつも気にかけ、調子を崩していたことも気付いていたことを知らされる。