あらすじくちなわ塚の災禍――――大百姓・塚守家の伊之助というロクデナシが、七十年封印されていた、“禁忌の蛇塚”の石函を財産目当てで暴き、中より躍り出た毒蛇に咬まれて死んだ。蛇は七十年もの間生きていたいたというのか!?聞けばその昔、伊之助の実父と祖父も毒蛇に咬まれて命を落としたという。これは“事故”か“殺人”か、はたまた“祟り”なのか…警視庁一等巡査・矢作剣之進は思い悩んだ挙げ句、薬研堀の一白翁の許へ相談に向かう―――“御行の又市”の仕掛けが明治の世に蘇る―――