あらすじ

俺、花井薫(はない・かおる)。特訓のかいあってか、新人王戦の選手に選ばれた。まァ、同じ1年の永井ってヤローがただ一人、2年、3年に交じって本戦に出場するコトになったのが、ちょっと気に入らないケドね。とにかく、これでソノコ君は俺のコト見直すだろうし、牛若丸(うし)の奴にもライバル健在ってとこ見せとかないとね。
バタアシ金魚(1)

俺、花井薫(はない・かおる)。水泳は好きじゃないけど、ソノコ君のコト、ホントに愛してるから水泳部に入ったんだ。だけど、ソノコ君は素直じゃないんだよね。しっかし、俺はヤルからね。ソノコ君に、俺がどんな男か認めさせてやるぞぉぉ。すげえコトやってやんだあぁ~!屈折元気(プリズム・パワー)が大爆発の甘酸っぱすぎる青春!!

バタアシ金魚(2)

俺、花井薫(はない・かおる)。憎ったらしいけど頼りになる合宿所のババアのおかげで、水泳部に復帰したんだ。ケド、相変わらずソノコくんは冷たい。俺のコト好きなくせに素直じゃないんだナ、キット。それより、ついに俺にライバルが現れた。牛川高の牛若丸(うしわかまる)ってヘンなヤツだ。これで、いよいよ俺もスポ根ヒーローだぜっ!?

バタアシ金魚(3)

俺、花井薫(はない・かおる)。県大会予選じゃヒーローになるはずが、ゴールさえもできなかった。牛若丸(うし)のヤツにはバカにされるし、水泳部からは謹慎処分くらうし、もう奈落のドン底。だけど俺にはババアと名犬フーバーがついている。ババアの魂胆はイマイチわからないが、とにかく復帰めざして特訓だぜ。才能あるしね。

バタアシ金魚(4)

俺、花井薫(はない・かおる)。特訓のかいあってか、新人王戦の選手に選ばれた。まァ、同じ1年の永井ってヤローがただ一人、2年、3年に交じって本戦に出場するコトになったのが、ちょっと気に入らないケドね。とにかく、これでソノコ君は俺のコト見直すだろうし、牛若丸(うし)の奴にもライバル健在ってとこ見せとかないとね。

バタアシ金魚(5)

俺、花井薫(はない・かおる)。やっとマジに水泳やる気になったというのに、耳が突然「キイ~ン、ワ~ンワンワン」とうなりはじめた。愛の証の日章旗をあげないまま、俺の水泳選手生命は終わってしまうのか!?こんなフビンな俺だというのに、ソノコ君は相変わらず冷たいし、俺たちの愛はどうなってしまうんだあぁぁ!!

バタアシ金魚(6)

俺、花井薫(はない・かおる)。晴れて浜高スイミングクラブの主将代理になった。それなのに、部員のヤツらは俺のやり方にブーブー言ってついてこないし、俺との愛に不安を感じたソノコ君は欲求不満ぎみでカリカリしてるし、いったいどうしてしまったんだぁぁ!!こんなことで光り輝く未来が本当にくるのだろうか?薫の爆走する青春、ついにクライマックス!

バタアシ金魚

バタアシ金魚のカオル君みたいになりたい

バタアシ金魚 望月峯太郎
かしこ
かしこ

あなたにとって望月ミネタロウの代表作は何ですか? 私にとってのそれは「東京怪童」なんですけど。こないだ始まった「フレデリック」で【あの「ドラゴンヘッド」と「ちいさこべえ」の作者の新連載がスタート!】と紹介されててビックリしました。あれ!?「バタアシ金魚」は!?と。まあ、代表作があり過ぎるということかもしれませんが…。 私が「バタアシ金魚」を読んだのは10年位前ですが、主人公・カオル君のブレーキが壊れた熱血さが理解できなかった。これは連載当時との感覚が合わないから起こるギャップなのかな?と思ってたのですが、どうやらリアルタイムで読んだ人にとってもカオル君の熱さは時代遅れで、みんなソノコ状態だったそうです。でも圧倒的に表現の仕方が新しくてカッコ良かった!と聞いたことがあります。 岡崎京子のエッセイでも「バタアシ金魚のカオル君みたいに」という言葉がありましたが、カオル君のバカみたいなガムシャラさって、本当はどんな時代でも一番カッコいいことであるべきなんじゃないかと思います。 今、このクチコミを書いてて「ちいさこべえ」の主人公とカオル君って似てるかも?と気づきました。望月ミネタロウが描いている、人間にこうあって欲しいと思う姿(ヒーロー像?)って、初めから変わっていないのかもしれません。