あらすじ
ずっと、僕のそばにいて。 時は1945年。美しきチベットの僧院で少年たちは出会った…。苛烈な運命に翻弄されることを知らずに…。父と共に「シャングリラ」を目指し、旅を続けていたダワ。しかし、とある僧院で父親はダワを残し去って行ってしまう。1人残されたダワは、僧院で出会った少年僧ドルジェらと共に、沙弥(見習い僧)として生きていくことに――。動乱前のチベットを舞台に描く、はかなくも清らかな愛の物語。 <登場人物紹介>ダワ……名前は「月」を意味する。父親と2人で巡礼の旅をしていた。男の子だが、女の子の格好をさせられていた。ドルジェ……名前は「金剛」を意味する。僧院でダワと父親に出会い、その後置いていかれたダワを友人として気にかけている。 【目次】第1話/第2話/第3話/第4話/第5話/第6話/第7話/僕たちの部屋へようこそ
国や地域に魂を奪われた漫画家が描く作品ってやっぱり最高ですね。中央アジアの森薫先生、中国文明の青木朋先生、そしてチベットの蔵西先生。 マットグロッソで中盤まで連載を追っていて、好きすぎて2人がどうなるのか受け止めきれる自信がなく、2巻がずっと読めなかったのですが……発売から約1年ほど経ったので気合を入れて読みました。 1945年という時代。そして僧院という舞台を鑑みると2人のあの結末は至極妥当な「これしかない」というもので、思ったよりスッと受け入れられました。 雄大な山嶺と、壮麗な寺院、チベットの人々の素朴な暮らしぶり……。 細部までこだわり抜かれた描き込みから「全部漫画の中に描いてやろう」という気迫と愛とリスペクトが伝わってくる素敵な作品です。 1話読んだら絶対好きになるので読んで……! http://matogrosso.jp/saraba-wagaai/01.html