あらすじ武田信玄やナポレオンにも大きな影響を与えた稀代の兵法家、“孫子”。屈辱的な要求に屈せず智勇で国を守った“藺相如(りんしょうじょ)”。彼と共に死んでも悔いぬ交友を誓う“廉頗”。筥国(きょこく)攻略の先陣として、3人で攻めこんでいった少年勇士。彼らの求めたものは、尊厳と名を残すことだけだった。――春秋戦国時代を生き、歴史をつくった者。それを伝え残してきた者。信じる道、目的と理想のために生命をかけた人々が輝きを放つ!
前に原正人さんが主宰される「世界のマンガについてゆるーく考える会」で知った作品。積読していたのをふと思い出し読んでみたところ圧倒されました。 昔の映画の看板のような画風の表紙からは想像できませんが、本編の作画は伝統的な中国の水墨画と日本の漫画表現のハイブリッド。 筆の強弱がとにかく魅力的で、力強い荒々しさと繊細な美しさの両方が楽しめます。 春秋戦国時代の故事がテーマなので全体的に古風で硬い雰囲気があるのですが、ところどころに如何に漫画っぽい表現がありクスリとさせられます。 (第二話の「おれの舌はまだあるか? 張儀」の、旅館のオッサンが竹槍を片手にパンパン打ち付けながらプンスカ憤ってるところとか大好きです) 表紙の「モーニングKC」の文字に驚いたのですが、こんな超絶技巧の美しい芸術作品のような漫画が週刊連載でモーニングに載っていたとは信じられません。すごすぎる。 先程Wikipediaを読み、鄭問先生(台湾出身)が2017年に亡くなられていると知り好きな人がもうこの世にいない寂しさを今噛み締めています…。 久々に「この作品に出会えて良かったな」と思える素晴らしい漫画を読みました。やはり積読は解消するものですね。