あらすじフランス文学の不朽の名作を世界で初めて漫画化!! 物語が始まった時、私は十五歳半だった―― 1929年、フランス領インドシナ。現地のフランス人女学校に通う貧しい少女は、ある日メコン川のボート乗り場で華僑の青年と出会う。少女は金と快楽のためと割り切って関係を持つが…… 世界を虜にする叙情と官能の作家・高浜寛がフランス文学の“あの名作”を世界で初めて漫画化!! (オールカラー作品)★第21回文化庁メディア芸術祭「優秀賞」受賞第一作 ★「アングレーム国際漫画祭2020」公式招待
原作小説は未読だったのですが高浜寛先生のファンとしてとても楽しめた作品。高浜先生は思春期の頃から小説を読んでいて思い入れが深かったと書かれていましたが、自分が一番好きな短編集「イエローバックス」の雰囲気にちょっと似ているなと思いました。デビュー時から感傷とか老成とかを描かれるとピカイチでしたからね。フランスではかなり取材を受けられていたようなのでフランス語がわかればなぁ…と悔しい思いです。こんなに現地で話題になるのは原作小説ファンも満足する素晴らしい漫画化だからでしょうね。日本のメジャーなストーリー漫画を意識して描かれた「ニュクスの角灯」とほぼ同時期に「愛人 ラマン」のような漫画にも取り組まれる高浜先生はやっぱりすごい作家だなと改めて思いました。