あらすじそれぞれの過去が明らかになり、そして物語は結末を迎える──。バブルの夜の東京で男を巡るキャットファイト、海賊の島で妻に逃げられ火を放たれた教師、山猿のように一人で育った幼なじみの少女、密輸船で渡った国で出会った初恋──。傷つき寂しく過酷な過去があっても、大切にしたい何かがあれば、現実が夢の世界に変わることもある。山の中の静かなホテルで、人々は自分を取り戻してゆく…。加筆分60ページ強を含む完結巻!
心に傷を受け、膝を抱えてうずくまっていた少年の記憶。何に涙していたのかもう思い出せないけれど、悲しみが胸にあったことは覚えている。泣いたり叫んだり、衝動を抑えないでいられた日々を、ふと思い出した作品でした。 少年が少年でいられない日々から、少年に戻ることを許された場所〈ホテル・ポパン〉に辿り着くところから物語は始まります。そこで出会ったのは、時計を止めてしまった幽霊のような美女。彼女もまた、辛い過去を抱えたまま、大人になることを拒んでいました。 倒産寸前からホテルは再生し、またホテルで働く人々も、それぞれの抱えた過去から解放されて行きます。 有間先生の作品はこのマンガが初めてだったのですが、出会えて良かったタイトルでした。