あらすじ最初の男“地底人”が言った『5人の仲間』を集めるべく旅立ったシロウは、第一の男・ギブス(チャパ)と第二の男・鸚鵡(オウム)を仲間にし、第三の男のもとへ向かうのであった。一方、鸚鵡の前に現れたという頭傷(アタマキズ)のバケ物もシロウたちの行方を追っていた……!!
同著者の『闇金ウシジマくん』よりもさらに息苦しく感じますね。何もかもに意味を見いだせず、イラついてばかりの青年が主人公のSF。暴力表現は『闇金』の現実的描写に対して、SF作品であるためにより過激。心理面でもそれに比例して深い部分までえぐらざるおえない。では、重く過ぎてつまらないのかというとそうではないのですね。ストーリーはむしろ好きな部類であるロードムービーふう。無為な日々をすごすシロウ。空から降ってくる少女。ルーシーと名乗る少女との生活と突然の終焉。謎の敵とシロウの消された過去。そしてかつての仲間を探す旅…、と矢継ぎ早でテンポ良い。キャラも個性的でぶっ飛んでいる。じゃあなんで息苦しいんだろう?と考えて見つけた答えは、過激描写のせいではなくて、短いページでシロウの救いのない閉塞感を感じてしまった、これじゃないかと。この辺のシロウの心中を素直に受け止められると、エピローグの全員寝そべるシーンが心に染みてくる思うんですが、どうでしょうか。う~ん、この作品もやっぱり『闇金』同様、読む人を選んでしまうかな。