あらすじ

海賊の財宝を発見するも、海上強盗の疑いでジャマイカ沿岸警備隊に拘束されたフナコたち。なんとか無事に帰国できるが、発見した財宝は自分のものに出来ず、先生たちからも非難され、徒労感に襲われる。さらに島で離れ離れになったカトーや仲間の海賊たちの安否が気になって、フナコは鬱屈(うっくつ)していた。そんな折、思いがけない人物がフナコの前に現れ、状況が一転。あくなき冒険心で突き進んだ少女の“大航海”は終焉(しゅうえん)を迎える。
万祝(1)

「強く……強くなってね!」亡き母親の言葉を文字通りとらえ、強さを求め続ける15歳の女子高生・フナコ。ある日、平凡な父との二人暮らしにうんざりしている彼女の家に、謎の下宿人・カトーが現れた。亡くなった名漁師のおじーちゃんに異常なまでに興味を示すカトーに不信感を抱くフナコ。そんな中、彼女の家に泥棒が入り、フナコは海上へと連れ去られてしまった……。こいつらって、カイゾク!?血湧き肉躍る、現代海洋冒険ロマン!

万祝(2)

海賊たちに攫(さら)われたフナコは、超人的な度胸と運動神経で海賊たちに一目置かれ、彼らが狙う宝物の話を聞き出した。海賊黄金時代――、海の盗賊どもが巨額の富を蓄えた“海賊銀行(バンク)”と呼ばれる島があった。その島は、現在もある理由から発見されず、100兆円とも言われる財宝は眠ったまま……。あまりにも現実離れした話ながら、平凡な毎日にうんざりしていたフナコの小さな胸は、張り裂けんばかりに高鳴り始める!私も宝探しの旅に出る!!

万祝(3)

「宝島のヒントは、祖父が書いた本の中にある」カトーの言葉に、おじーちゃん・兆治郎(ちょうじろう)の著書を舐(な)めるように読むフナコ。そして、誕生日を明日に控えた彼女の元に届いたのは、兆治郎からの手紙だった!謎かけのようなメッセージを頼りに、ついに兆治郎のプレゼントを見つけたフナコだが、その中に入っていた宝島への地図を、まんまとカトーに奪われてしまった!地図を追い、フナコたちもついに大海原へ漕ぎ出す!

万祝(4)

意気揚々と船出したフナコたちだったが、刻々と表情を変える海がフナコたちの船・宝進丸に襲い掛かる!凶暴な大波!闇を切り裂く落雷!そして想像を超えた自然現象!!果たしてフナコたちは、すべてを乗り越えて、カトーの船・暗黒船ファンタズマゴリア号に追いつくことができるのか!?一方、一足先にパナマ海域を目指すカトーだが、海賊であること意外、素性はわからないまま。そんな闇に包まれた彼の過去が明らかになる!

万祝(5)

海賊バンク海域を眼下にとらえたカトー。しかしその海域を抜けることは容易ではない!海底火山、巨大なうず潮、船をも破壊する空気の塊――。人知を超えた自然の脅威が立ちはだかる。そして、その死の海域に主のように君臨する“トビミズチ”!!カトーとトビミズチの関係は!?そして、海賊バンクは、海賊たちの聖地・リバタリアなのか!?ついに謎の島の正体が見えてきた。また、砦の塔を脱出したフナコたちは、カトーの後をひたすら追いかける!!

万祝(6)

100兆円の財宝が眠る島を探している女子高生のフナコ。ついに彼女は島近くの嵐の海までやって来た!!しかしここからが本当の大冒険。謎の自然現象と巨大な殺戮(さつりく)ザメの攻撃を回避しながら、地図に示されていた“重要ポイント”を目指さなければならない!!一方、フナコから地図を奪い先行する海賊のカトーは、部下の裏切りに遭って、嵐の海域に一人取り残されてしまう!!自然の驚異とサメの恐怖をくぐり抜け、最初に伝説の宝島を見つけるのは誰だ!?

万祝(7)

冒険の舞台は伝説の島へ!フナコが未知への衝動にかられ、財宝に突き進む!!南の楽園には、ほど遠く、おどろおどろしい空気が漂う財宝の島。周りは断崖に囲まれ、上陸する場所すら見つからない……。フナコの背後からは宝を狙う海賊連中が迫り、島の内海には獰猛(どうもう)な巨大ザメの影もチラツく。果たしてフナコは、サメと海賊の攻撃を切り抜け100兆円の財宝を見つけ出せるのか!?

万祝(8)

フナコ×海賊(パイレーツ)、カトー×殺戮(さつりく)ザメ(トビミズチ)!財宝の島で「宝」をめぐる血戦が始まる!!絶海の孤島にたどり着いた二人は、海賊の財宝とともに自分の「宝」を見つけるため、それぞれの目的地に向かい進み始めた。宝を探すため“水晶髑髏(どくろ)の岩山”へ向かうフナコは、財宝への扉らしきものを発見するが、そこには昔の海賊達が仕掛けた罠(わな)が!?一方カトーは、本来の自分を取り戻すため、一人、トビミズチに対峙する!!

万祝(9)

カトーは、願い続けていた殺戮(さつりく)ザメとの戦いに興じていた。共鳴しあう二つの孤独な魂。しかしそれを“哀れ”と感じたフナコは、カトーを助けに狂気の中へ向かっていく。フナコのいない隙に財宝を見つけようと遺跡の中を突き進むファンタズマゴリア号の海賊たち。そしていよいよ宝の眠る小島にたどり着く!!やがて始まる海賊同士の黄金争奪戦。金の亡者が全身武装で皆殺し宣告!!発見された宝をめぐり、血で血を洗う財宝の奪い合いの幕が開いた!!

万祝(10)

フナコたちがカトーと殺戮(さつりく)ザメに気をとられてる間に、伝説の財宝を発見した海賊のスズキ。財宝を独り占めしようとするスズキは、仲間を殺しはじめるが、武術にたけてるフナコによって倒されてしまう。しかし、スズキの財宝に対する執着は尋常ではなく、現場の混乱に乗じて姿をくらまし、フナコたちが船でひと息ついている隙(すき)に、積載された金銀財宝を奪おうとする。最後に財宝を手にするのは誰か!?

万祝(11)

海賊の財宝を発見するも、海上強盗の疑いでジャマイカ沿岸警備隊に拘束されたフナコたち。なんとか無事に帰国できるが、発見した財宝は自分のものに出来ず、先生たちからも非難され、徒労感に襲われる。さらに島で離れ離れになったカトーや仲間の海賊たちの安否が気になって、フナコは鬱屈(うっくつ)していた。そんな折、思いがけない人物がフナコの前に現れ、状況が一転。あくなき冒険心で突き進んだ少女の“大航海”は終焉(しゅうえん)を迎える。