あらすじ

忘却の彼方に潜む、自身の醜き炎。本来、魔術師にとっての誇り。それを枷とする疫病をばら撒く”炎”。呪いの根源を見つける為、ジゼルと青が向かったのは、トゥール・モンパルナス。鉄の巨塔でアルベールと対峙する青は、呪いを書き換える事ができるのか・・・・・・。
魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青(1)

これは、世界に色彩をもたらす為の物語。 舞台は仏国、巴里。孤児であり外国人である少年・青、魔法使いに秘めた力を見初められ、『妻』として娶られ、世界における様々な色を識ってゆく――。

魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青(2)

人外×少年 色を従え、色を揮え。全ては、私を殺す為に。

魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青(3)

人外×少年 脈動する赤。それは過去を払い世界を照らす、一閃。

魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青(4)

人外×少年 両の眼で見据えるのは、変わらぬ過去と変えられる未来。

魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青(5)

崩れた均衡。祝福の陰に隠れたもの。顕われる、悪意。 ジゼルの師匠ミルタによって、明かされたジゼルの呪いと巴里の手掛かり。 ふたりは手掛かりたるノアの教会に向け、新たな魔術で飛び立つ。 しかし、その先に待つのは騎士団の三要素すら舐め尽くさんとする“炎”の痛み――。

魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青(6)

忘却の彼方に潜む、自身の醜き炎。本来、魔術師にとっての誇り。それを枷とする疫病をばら撒く”炎”。呪いの根源を見つける為、ジゼルと青が向かったのは、トゥール・モンパルナス。鉄の巨塔でアルベールと対峙する青は、呪いを書き換える事ができるのか・・・・・・。

魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青(7)

荒れ狂う悲嘆――そして、すべては黒になる。青を取り戻そうとするジゼル達だったが、“炎”のアルベールとペインの壁を越えられず、苦戦する。一方、忘れ去られた記憶の淵で過去の全てを思い出した青。深く淀んだ水底 で、青が描いた黒が世界を塗りつぶさんとし――・・・。

魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青(8)

誰かの罪を見る時、己の罪にも見られている 竜化したジゼルすら塗りつぶさんとする、ブロンシュの憎悪。青達はヒトを越えた強大さになす術なく追い詰められていくがそこに現れたのは不干渉かと思われた最後の“共同体”、ウジャド図書館の長・ジャファル――!!

魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青(9)

人外×少年 運命は振り払えない。それは自身の影のように。共同体の魔術師達が見守る裁判の中で全ての罪を明らかにするべきと道理を訴えた青。巴里の闇を覗き込む苦難の道を選ぶ、その覚悟を認めた三つの共同体それぞれの長は青の申し出を承諾する。新たな可能性が示された共同体と“炎”、しかしその裏で四象會の長・劉の元に不穏な来客が――……。

魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青(10)

重ねていく。色を、掌を、想いを、これからも――。ブロンシュを取り込み黒き竜と化した凌月。彼女の暴走を止めようと、ジゼルもまた竜となり凌月を道連れに裏カタコンベへと落ちていく……。そしてジゼルを救うため青は結界を潜り抜け、ジゼルのもとへ向かう。その先で彼が選択するものは――。巴里を舞台に繰り広げられる異類婚姻幻想譚、堂々完結!