あらすじ新調したスーツを着たカノジョは、今朝もあの男に心の中で「おはよう」を言う。ホームで電車を待つ間の一方的な3分間のデート。電車を降りたカノジョは、いつものカフェテラスへ。そのカノジョを見つめる一人の男。やはり新しいスーツを着て、心の中で声をかける。「おはよう」と――。軽やかなステップが似合う、なつかしくも甘くせつないリズムとメロディーが『ハートカクテル』から響く。澄んだ音にのせて、恋物語が舞います。
わたせせいぞう、鈴木英人、クリスチャン・ラッセン。80年代にアート系でずいぶんもてはやされたと記憶してます。私自身、レコパルで鈴木英人のカセットインデックスを集めたり、ラッセンTシャツを買ったり。そしてわたせせいぞうは、JT提供の深夜アニメです。5分番組で確かキャッチは”たばこ1本のストーリー”。ちょうどたばこを覚え始めた時期だったので、吸いながら見ていました。その後、単行本を買って、たばこを吸いながら読んで灰を落としてしまったり、なんてことをしてましたね。漫画には日本の田舎のお話もありますが、そのとき感じた印象はアニメの影響から、メンソールたばこのイメージ。スッーと爽やかで透明な空気感。そしてヨーロッパの絵本のような絵柄から受ける非日常感もあって、わずらわしい現実から開放されるような気分に浸ってました。ですので今でも気分転換したいときに読み返します。このときだけは、やめたたばこを吸いながら。