【前巻まで】目もくらむような加速G、耐え切れず悲鳴をあげるリアタイヤ、前輪を軽々と持ち上げ、なおも加速してゆくモンスターと呼ばれるマシーン――400mを10秒台で駆け抜け、最高速は300km/hに達する、その恐るべきパワーを操り己の死をもかえりみず限界に挑みゆく“バイク乗り”と呼ばれる男たち――恐怖と歓喜が入りまじったスピードという名の陶酔境…ロードの果てに位置するそれと、そこへいざなう“モーターサイクル”は男たちを魅了してやまない。伝説のバイク乗り=キリン。4年前、東名でカタナを駆り、ポルシェを追いつめた“地平線上の銀馬”……TheHorizontalGrays――銀馬に魅せられ、そしてその意志を継ぐ者たちは走り続ける――!!
目標を持った単車の楽しみ方ってのも、いいものだ。60km/hで作動するリミッターを解除……+20km/h。80km/hの最高速を、どこまで伸ばせるか――!? 燃料はハイオクタン。プラグは9番Vタイプ。オイルは5‐50――まだまだ。排気管を変更。エアクリーナーを外し、ファンネルに……メインジェット15番上げ。ニードル、パイロット、セット変更。もう+10km/h。気分は高校生。もて余すパワーより、使い切る嬉しさを! 90km/hが200km/hにも感じられる、この瞬間!! ポート、バルブ研磨。ヘッド面研。ピストン軽量化。カムのハイリフト化――30余年前のスピリッツに、“中年”という名の“高校生”はどこまで迫れるか――!?