私的漫画世界|青柳裕介|土佐の一本釣り
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「土佐の一本釣り」というタイトルの通り,この物語の舞台は土佐久礼(とさくれ)という漁師町です。現在は市町村合併のためかそのような地名は残っていませんが,高知市と宇和島市を結ぶ土讃線に「土佐久礼」という駅名が残っています。純平がセーラー服姿の八千代と列車に乗り込む駅がここです。
地図で見ると高知市から南西に土讃線と国道56号線がほぼ並行して走っています。高知市は土佐湾の最深部にあり,国道58号線は土佐湾に沿ってゆるやかに弧を描くように南西に向かっています。土讃線はいったん西に向かい,それから南下して須崎市のあたりで国道と合流します。須崎市から10kmほど先に行ったところに土佐久礼の駅があります。
町名は高知県高岡郡中土佐町となります。周囲は山がちな地形となっています。北からの久礼川,西からの長沢川,南西からの大坂谷川が土佐湾に注ぐところにわずかな平地に町があります。
東は土佐湾の一部となっている久礼湾に面しており,湾の北側にあたる久礼川の河口付近に南北方向の大きな防波堤があり,その内側に小さな防波堤が浜を囲んでいます。作品中にはこの小さな防波堤はよく出てきます。作者の青柳裕介氏は高知市から15kmほど東にある現在の香南市の出身であり,高知市内の中学校を卒業しています。