人の時代が終わりを迎え、ゆるやかに静止してゆく世界。ロボットの人 蘇芳は、犬の人 ミュートを連れ添い自分を設計した博士≪ご主人様≫を捜す旅をしていた。道中で出会う、停止した時計塔、朽ちた学校、街だった廃墟。かつてそこに居た人々の名残りを感じながら蘇芳たちは今日も旅をし、おいしいごはんを作って食べる。もうすぐ終わる世界を巡る、終末スローライフ。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※
かつては星々の領域まで進出していた人類がその覇権を失ってから千数百年の時が過ぎた。無人工場が生み出す完全食品「コモンブレッド」だけが人々を生き延びさせている時代、探索師の少女ハルカはコモンブレッド至上主義をかかげる「教会」の目を逃れながら、広大な廃墟を旅していた。