あらすじアルコロジー大戦から500年。人類が衰退し廃墟となった世界を旅する、人間の少女・チコとロボットの弟・ピノ。ついに生き残った人間が暮らすコロニーに到着した2人だが、そのコロニーは、町のほとんどが水の底に沈む“レインフォレスト”と呼ばれる水没集落だった。命の期限が決められた場所で、無気力に生きる大人たち。そんな中、チコたちは病を患いながらも懸命に生きようとする兄妹と出会い……? 荒廃した世界で紡がれる、終末冒険ファンタジー。姉弟の過去が明らかになる待望の第2巻!
平沢ゆうなさんと言えば『僕が私になるために』という実録性別適合手術エッセイマンガが非常に面白くためになったのですが、それからいくつかの短編を経て始まった待望の連載が『白百合は朱に染まらない』、そしてこの『鍵つきテラリウム』です。 『鍵つきテラリウム』は、(コミックスにも掲載されている)webで掲載された0話にあたるフルカラーのプロローグを初めて読んだ時、そこに描かれていた美しいポストアポカリプスのコロニーの風景に一瞬で心奪われました。元々、私は廃墟萌えの性質があり終末世界系は大好きですし、特に人の手によって造られた建造物が崩壊してそこに草花が生い茂っている感じも大好物。それはもう堪りません。 更に、人間とロボット的なテーマも入ってきて心の奥底まで優しく、時に切なく響き渡るストーリー。それらが生み出すハーモニーは非常に上質で心地良いものでした。ずっとこの世界に浸っていたいと思える稀有な作品です。平沢ゆうなさんのカラー背景がとても良く単行本の店舗購入特典各種も素晴らしいので、ずっと描いてて頂きたいと願ってしまいます。 『少女終末旅行』、たつき監督作品、ニーアオートマタなどが好きな方にもオススメしたい一冊。