あらすじ宇宙の運行を担う組織「果ての管理者」の支部で突如働くことになったロシア人青年マルコ。彼は着任当初、宇宙を彷徨う魚・ヨルワンガに心臓を奪われてしまう。局員特典で生きているが、任務期間が終われば死んでしまう状態の彼は、心臓を奪還すべく仲間たちと準備を進めていた。そして、ついにその時が訪れ…。「次にくるマンガ大賞2020」Webマンガ部門&「WEBマンガ総選挙2020」ダブルノミネート!異星人交流ファンタジー第4弾。
ただひたすらに、彼女のことを思うマルコをみていて、任期を終えたら10年前に戻っているのかなと思った。 むしろ、そう願った。 だって、細胞から入れ替わるかのように転移させられて、モスリにたどり着いたから、また元の世界に戻してくれるんじゃないかと思った。 それは閉じた星に住む生き物だからこその願いだと途中で気付かされた。 開かれた星では時が進んでいて、運が良ければ知り合いにだって任期中に再び会える。(最初は失踪するように消えるのは同じだけど) そして、10年間帰れないというどうにもならない事実がメインに描かれたのは最初だけ。上の人が決めたことは、どうにもならない。 描かれなくなった分、星をつくる仕事と合わせて様々な異星人の暮らしと歴史が描かれる。 『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』のモンスターたちのように設定はとても細かい。 設定だけで読切が作れそうなほど細かい。 次にくるマンガ賞にノミネートされるだけあって、深くて異星人とのやりとりがおもしろい。 所長の10年目はだれがそばにいるんだろう。