あらすじ大学を卒業し、恋人との世界旅行を計画していたロシア人青年マルコ。プレゼントを用意して弾む気持ちで旅の準備をしていると突如、彼の体に異変が起き見知らぬ土地に転移してしまう。その土地で10年もの間、ある重要な”任務”をこなすことになったマルコの異星人交流譚。
ただひたすらに、彼女のことを思うマルコをみていて、任期を終えたら10年前に戻っているのかなと思った。 むしろ、そう願った。 だって、細胞から入れ替わるかのように転移させられて、モスリにたどり着いたから、また元の世界に戻してくれるんじゃないかと思った。 それは閉じた星に住む生き物だからこその願いだと途中で気付かされた。 開かれた星では時が進んでいて、運が良ければ知り合いにだって任期中に再び会える。(最初は失踪するように消えるのは同じだけど) そして、10年間帰れないというどうにもならない事実がメインに描かれたのは最初だけ。上の人が決めたことは、どうにもならない。 描かれなくなった分、星をつくる仕事と合わせて様々な異星人の暮らしと歴史が描かれる。 『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』のモンスターたちのように設定はとても細かい。 設定だけで読切が作れそうなほど細かい。 次にくるマンガ賞にノミネートされるだけあって、深くて異星人とのやりとりがおもしろい。 所長の10年目はだれがそばにいるんだろう。