あらすじ

もう一人の“ES”――イザク。九條未祢(くじょうみね)が接触した、秋庭亮介を知る男・榊が明かす“ES”の惨劇。危険な存在であるイザクを殺すために、同じ力を持つシュロ(亮介)の協力を仰ぐのだが……。亮介と出逢ってしまったがゆえに、未祢は過酷な運命の輪に翻弄されてゆく――。イザクがこのまま暴走を続ければ、いずれ我々の世界は崩壊する!
ES 1巻

彼は他人の心に入り込み、少しだけ他人の記憶を改竄(かいざん)する。しかし“ES”に悪意はない。ただ、心という不可視な世界で混乱と調和を弄ぶ。これは、“ES”としか呼ばれなかった青年・秋庭亮介(あきばりょうすけ)と、東鵬医大の研究員・九條未祢(くじょうみね)の物語――。「……じゃあ、あなたは何なの? 何のために生まれてきてこの世に存在するのか―― 自分のことを明確に答えられますか?」

ES 2巻

もう一人の“ES”――イザク。九條未祢(くじょうみね)が接触した、秋庭亮介を知る男・榊が明かす“ES”の惨劇。危険な存在であるイザクを殺すために、同じ力を持つシュロ(亮介)の協力を仰ぐのだが……。亮介と出逢ってしまったがゆえに、未祢は過酷な運命の輪に翻弄されてゆく――。イザクがこのまま暴走を続ければ、いずれ我々の世界は崩壊する!

ES(3)

少年の顔をした悪魔。先端科学の名のもとに造り出された少年、類まれなる生命力と他人の脳に潜入する能力を持った『ES』――イザク。九條未祢の大学時代からの親友・貴美子は悩んでいた。研究者として生きる未祢への嫉妬、研究者としての道を捨てて選んだ家庭の崩壊。その心を支配するために、まざまざと自分の能力を見せつけるためにイザクは貴美子に近づく……。心の闇に巣食う悪魔・イザク――。

ES(4)

「愛情」は教わらなかった。遺伝子操作で造り出された存在・『ES』にとって愛情という感情は理不尽だった……。イザクの暴走――。親友を殺され、『ES』と戦うことを決めた未祢。しかし、人間の脳を支配する圧倒的な『ES』の力に人の力は及ばない。弱点をさがすため、未祢は催眠療法でシュロの潜在意識を覗く。そこでシュロの衝撃的な告白が……。「人を殺した」――シュロを造り、最も愛したはずの人を――。

ES(5)

なぜ、人は『心』を拠り所にするのだろう。「あなたが好きだ」「違う……それは錯覚よ」――『ES』であるシュロにはじめて芽生えた感情。告白を受けた未祢の心は大きく揺れる。イザクによって堀田刑事が殺されたことを知ったシュロは、イザクのもとへ出向き対決を挑む。その結果、イザクは傷つき病院に運ばれた。次々と起こる予測できない惨劇に、不安を抱え、独りきりではいられないシュロと未祢。二人はいつしかお互いに惹かれあっていた。

ES(6)

「これでシュロのヤツを殺せる」お前ら、人類への制裁。止(とど)まることを知らないその悪意は新たな戦慄へのプロローグに過ぎなかった。イザクが唯一心を許す少女・有里。その母・靖代は娘に対し虐待を繰り返していた。しかし、未祢の誠意により治療を受けると決心。同時に有里との関係を修復したいと強く願い、身ごもっていた子を堕ろす。そして、出会ってしまったイザクと靖代。幼き悪魔の復活により新たな惨劇の幕が開く――。

ES(7)

両親が死んだ理由を確かめるため、有里はイザクと対峙する。その瞬間、『理解者』だった少女は『敵対者』へと変わり、イザクの殺意は有里に向けられた。自分に係わった人間が次々と殺されていくことに絶望した未祢は、ついに悪魔(イザク)を撃つことを決意。放たれた弾丸が、イザクを撃ち抜く――!!

ES(8)

人類60億の命は、二人の『ES』に委ねられた。衝撃と感動のクライマックス!『ES』の遺伝子は完璧な生命体。寿命は最低でも200年――。だが、イザクの老化は加速していた。余命わずかと知った彼は、絶望から自暴自棄になり、人類への復讐として無差別殺戮を開始した。イザクの暴走を止めるべく、シュロは戦いを挑む!戦いの場は、二人が誕生した研究所。悲劇の生まれた場所で、『ES』同士の最終戦争が幕を開ける!