あらすじタイムリミットは貫之の退学決定まで。貫之の学費を稼ぐための同人ゲーム制作だったがそのリアルな納期は思いのほか厳しいものだった。理想と妥協の狭間で進行していく恭也。そして迎えた同人ゲーム完成の日――。恭也、そして貫之の胸に去来する想いは…
人生をもう一度やり直せるとして、やりたいことがある人は幸福なのかどうかとたまに考えます。 勤めていたエロゲ制作会社(※超絶ブラック企業)の倒産直後、10年前にタイムスリップした本作の主人公恭也。彼はこれまでの自分と決別するかのように当時夢見た芸大へ進学し、人生をやり直すことを選択します。 場末のエロゲ制作会社で「何者にもなれない」と燻っていた恭也の胸の内は常にコンプレックスが渦巻いています。それでも10年後に「プラチナ世代」と呼ばれるトップクリエイターになる同級生とともにモノづくりに奔走するのは、変わりたいから。仲間と一緒に作りたいものがあるから。やり直した人生で夢を叶えたいから。 一度手放した夢を再び目指すのは、相応の覚悟が必要なはず。「何か」を掴もうとあがく恭也の姿は、見ていてグッとくるものがあります。 モノづくりマンガ、芸大マンガとしても芯の通った熱さのある素敵な作品だと思います。続刊も楽しみです!