あらすじ電子書籍で復刊! 鬼才とり・みきが放つ壮大な伝奇スペクタクル霊石の力を解き放ち、各地で惨劇を巻き起こす謎の少年・白鳥の狙いは、現代版・国生み神話だった。物語の核心に迫る第二巻。奈良――真理を襲う三輪山の大蛇神オオモノヌシ熊野――死者による新たな“国生み”を試みる白鳥の野望東京――不思議な石によって教祖に祀り上げられた男の運命常陸――鹿島沖に現れた巨大な甕に謎の岩が共鳴する
昔読んだとり先生のエッセイに、火浦功さんの「死に急ぐ奴らの街」の解説文が収録されていて、作家の持つ「作家性」がモロに発揮された傑作である、といった旨の文章を綴っていました。その文章を読んだことがあったため、この「石神伝説」という作品を初めて読んだ時、ある意味でとり・みき先生の作家性が「モロ」に発揮されている作品なんではないのだろうかと、秘かに思った記憶があります。 日本神話をモチーフに、巨大怪獣と自衛隊員が戦う-ひどく乱暴に物語を要約してしまうとこんな雑な要約になってしまうのですが、この作品には様々なフレーバーを感じます。おそらくとり先生が多大な影響を受けてきたであろう特撮映画や様々なSF、マンガ作品(残念ながら自分はそれらの作品を言挙げ出来る程の知識はありませんが)。とり・みきというクリエイターは普段ギャグをまぶして描くことが多い題材ですが、この作品は恐らくそれらを消化して、真っ向から描いており、途半ばであっても傑作と評価されるべきだと思っています。 掲載誌が休刊して未完であることが悔しいタイトルの一つではありますが、一マンガ好きとしてはこの作品が再び描かれることを気長に待ち続けています。 そして些か蛇足になるかもしれませんが、「プリニウス」を好きな方にはこちらの作品も読んで欲しいなあなんてことも思ったりもしています(プリニウスにおけるとり先生のフレーバーというものがよく分かるんじゃないかと思ったりもしています)