あらすじ

亡き兄の夢「日本一の吟醸酒」を造るためには、有機栽培の酒米「龍錦」が不可欠。米作りの名人・宮川輝など、わずかではあるが理解者も現れはじめ、夏子の幻の酒造りは実現へと歩みだすが…。しかし、宮川のもとでやっと龍錦の田植えまでこぎつけた夏子は、農薬や化学肥料、農薬の空中散布など、さまざまな問題に直面するのだった。
夏子の酒 1巻
お日様みたいなお酒――。太陽の光がプリズムを通すと七色に輝くように、酒の透みきった無色の液体の中には、きめ細かなたくさんの味がひそみ、息づいている。そんな日本一の酒を造り出すことを目標としていた兄・康男の言葉が、夏子の心を占めてはなさない。だが今、夏子は、コピーライターとして大きな仕事にかかわりだしたばかり…。「酒」をめぐる情熱と夢。大いなる夢をめざす夏子たちの辛口人間ドラマ。
夏子の酒 2巻
新潟の小さな酒蔵の跡を継ぐはずだった兄が、幻の酒米「龍錦」の種籾(たねもみ)を残して急逝。酒のテイスティングに天才的な舌を持つ夏子は「日本一の吟醸酒を造る」という兄の遺志を継ぐべく、東京でのコピーライターとしてのキャリアを捨て、「龍錦」の栽培を決意する。しかし、夏子の前には、古いしきたりや、荒れ果てた農地、さらには村人たちの無理解といった数々の壁が立ちはだかるのだった。
夏子の酒 3巻
亡き兄の夢「日本一の吟醸酒」を造るためには、有機栽培の酒米「龍錦」が不可欠。米作りの名人・宮川輝など、わずかではあるが理解者も現れはじめ、夏子の幻の酒造りは実現へと歩みだすが…。しかし、宮川のもとでやっと龍錦の田植えまでこぎつけた夏子は、農薬や化学肥料、農薬の空中散布など、さまざまな問題に直面するのだった。
夏子の酒(4)
有機栽培の酒米・龍錦の栽培を開始した夏子。地元の人々に龍錦を増やし、育ててもらおうと計画するが、皆、苦労を背負う気はないと良い返事をしない。だが、農薬の空中散布を阻止しようとする夏子に、わずかではあるが理解者が現れはじめ、「龍錦栽培会」が結成された。夏子の情熱は、日本酒を、そして日本の農業を変えられるのか!?
夏子の酒(5)
最大の助言者・宮川のじっちゃんの骨折や台風など、さまざまな困難に遭いつつも、亡き兄の夢「日本一の吟醸酒」を造るために、酒米「龍錦」の有機栽培を進める夏子たち。そんな中、夏子たちの姿を見て、自らも酒造りに励もうとする黒岩酒造の息子・慎吾に異変が起きる…。
夏子の酒(6)
夏子たちの佐伯酒造へ営業妨害をし、悪質な酒を量販する黒岩酒造の跡取りながら、自ら新しい酒造りに取り組む慎吾。そんな慎吾と夏子は、足のひっぱり合いで競うより、どちらが日本一の酒を造るかで競い合おうと誓う。そんな中、夏子たちは、酒米「龍錦」を栽培していくうえで問題となる、農薬空中散布の問題とついに対決する!
夏子の酒(7)
酒米「龍錦」を栽培していく上で問題となる、農薬空中散布の中止をついに進言した夏子たち。子供たちのため、土のため、そして稲のため、という夏子の思いを町の人々に伝えることの難しさを味わうことになる…。そんな中、夏子は、宿命のライバルと考える銘酒・美泉(びせん)の新酒を口にし、新たな意欲を燃やす!
夏子の酒(8)
上槽(じょうそう)したばかりの美泉(びせん)を味わい、去年のものよりさらに鮮烈な味わいに刺激を受けた夏子。2回目の酒も上出来となった慎吾や、父の反対を押し切って酒米「龍錦」作りを手がけだす冴子――皆が夢へと近づいたかに感じた矢先、酒造りの切り札的役割をする杜氏(とうじ)の山田信助が倒れてしまう…。佐伯酒造では、病気で倒れた山田杜氏に次の酒造りも任せるか、交替させるかの決断を迫られていた。
夏子の酒(9)
病気で倒れた山田杜氏(とうじ)に次の酒造りを任せるか…。兄が父と山田杜氏と夏子に託した夢、誰ひとり欠けては成立しない夢として、夏子は、奇跡を信じてまい進していくことを決意した。そんな中、夏子の良き協力者・冴子が丹精込めて育んだ酒米「龍錦」の田んぼに、大きな壁が立ちはだかる。
夏子の酒(10)
「夏子の酒」独自の味を求めて、夏子は思い悩む。そんなとき、夏子は、兄・康男が残してくれた吟醸酒のことを知る。その「吟醸N」は、夏子の舌と心に強烈な印象を残した。だがそれは同時に、皆との反目を引き起こすことに…。夏子の求める味、目指す味を誰も理解できないのだ。杜氏(とうじ)も父も理解してくれず、真っ向から対立した中、目指す「夏子の酒」は生まれるのか!?
夏子の酒(11)
杜氏(とうじ)も父も理解してくれない兄・康男の遺作「吟醸N」へのこだわり。酒米「龍錦」を新しい酵母で仕込むという杜氏と真っ向から対立し、周囲から孤立した夏子だったが、尊敬する銘酒・美泉(びせん)の蔵元・内海というただひとりの理解者を得て、勇気づけられる。そんな中、龍錦の洗米が始まり、いよいよ吟醸造りが開始される!
夏子の酒(12)
不調を押して酒米「龍錦」による吟醸の造りに参加し、異なる条件でのタンク2本の仕込みを終えた山田杜氏(とうじ)のじっちゃんが高熱に倒れたとき、3本目の造りは、新米杜氏の草壁に託された…。「龍錦」と河島町の未来を懸けて、日本一の吟醸酒造りを目指した『夏子の酒』、夏子の夢と情熱が実を結ぶ、感動の完結編!!
奈津の蔵

奈津の蔵

昭和3年、18歳の若さで蔵元・佐伯酒造に嫁いだ奈津。義兄の遺児である菊江との難しい関係や厳しい蔵のしきたりに苦悩する。そんな中、奈津は酒造作りに興味を持ち始め――…。
善人長屋

善人長屋

ここの店子は悪党揃い!? 江戸の町中に、店子も差配も皆善人と評判の、人呼んで「善人長屋」ここにあり。しかし本当は、店子が皆、裏の稼業を持つ悪人揃い……!? ある時、手違いや勘違いから正真正銘の善人が越してきたからさあ大変!! 笑いも人情もとびっきり!! 『どうらく息子』『夏子の酒』を描ききった名手・尾瀬あきらが挑む珠玉の江戸粋物語!!
蔵人

蔵人

島根県の出雲空港に、ひとりの日系米国人の青年が降り立った。彼の名はクロード・バターメイカー。自分のルーツである、曾祖父の酒蔵を探し求めてやって来たのだ。松江で実家の居酒屋「あやか」を手伝っている小野寺せつは、英語が大の苦手なのに、何の因果か彼を出迎えることになり…!?
どうらく息子

どうらく息子

『夏子の酒』『蔵人-クロード-』など、日本酒を扱った漫画作品を描き続けた尾瀬あきらが、新境地にチャレンジした意欲作です。「寿限無」など子供でもおなじみの楽しい噺から、「子別れ」「文七元結(ぶんしちもっとい)」など人情噺も落語を知っていても、知らなくても楽しめる内容となっています。この作品の生命線・落語の監修についているのは、落語愛好家にはもうおなじみ、柳家三三師匠です。当代きっての名人・柳家小三治師匠の弟子として修業を積み真打となり、落語界トップクラスの評価をされている実力者です。落語家の世界では30歳代はまだまだ若手なのですが、柳家三三師匠は人気・実力ともに「今おもしろい落語家」としてもっとも注目を集めている次代のホープです。落語って何?古臭い江戸時代の話でしょ?という方でも落語の世界に引き込むコミックです。もちろん落語好きの方も、数十人の現役噺家から取材した修業逸話が随所にちりばめられているから楽しめます。「平成の落語ブーム」として注目度抜群の落語の世界を『どうらく息子』から覗いてみてください。
ぼくの村の話

ぼくの村の話

「ぼくの村」、それはどこにでもあった日本の村のひとつだった――。1966年6月、少年たちは暗闇のなかで、青白く輝く馬が飛ぶように駆ける姿を見た。その日は、彼らの村がつぶされる決定が下された日でもあったのだった……。新しい空港を建設するため、20年かけて開墾してきた自らの土地を、突然奪われることになった農民たち。彼らの長きにわたる戦いが、今、幕を開けた!!「成田闘争」を題材としたフィクション第1弾!!
みのり伝説

みのり伝説

弱小出版社を辞めてフリーライターになったみのり。ところが仕事もないし、お金もない、おまけにアパートまで追い出されるはめになってしまう。そこに、みのりが結婚すると勘違いした母フサから婚礼家具が届く…。大作家を夢見てひたすら頑張るライター、杉苗みのりの奮闘記!!
光の島

光の島

照屋光、6歳。小学校入学を間近に控えたある日、東京に住む照屋一家を、伯父の洋平が訪ねてきた。洋平の住む沖繩の唄美島では、ただひとりの小学生が転校することになり、島民たちは廃校=廃村かと危ぶんでいるという。小学校を存続させて島を守るため、光を島へ連れていきたいと頼む洋平だが…。