これって南Q太先生の初めての週刊連載だったんですね!その週刊連載が大変だったことは「ひらけ駒!return」のあとがきに書いてありました。力作揃いの週刊モーニングでは不評だったかもしれないけど、私としてはすごく面白かったので8巻で完結されてしまったのは残念です。まだ幼稚園に通ってるくらい小さい子がとっても強かったり、ふんわりおっとりしてて美人な女流棋士さんがめっちゃ強かったり、印象的だったあのキャラクター達はあれからどうなったんだろう…と気になってしまうことはたくさんあります。でも、今までルールも知らずに色んな将棋マンガを読んできた私にとって、初めて自分も将棋をやってみたいと思った作品でした!主人公の宝くんのママが見よう見まねで将棋を覚えてハマっていく姿を見ていたらマネしたくなり、今はアプリをダウンロードして勉強しています。将棋が強い子は「算数が得意!」とか「頭がいい!」なんてイメージがありましたが、宝くんを見ていてそういう自分の思い込みが払拭されていくのが快感でした。何かに熱中することのドキドキと挑戦することのキラキラを味わえます!
南Q太さんは結婚3回目、旦那さんのオイさんは結婚2回目、それぞれの連れ子さんが3人、新たに産まれたお子さんが2人、計7人の家族エッセイです。ステップファミリーの話よりも南Q太さんに興味があって読みましたが、子供達もみんな個性がバラバラでいつも賑やかで楽しそうでこういう家族もいいなって思いました。本当のところ南さんは結婚に執着しないタイプの方なんだろうと思いますが、この家族の形はとても南さんらしいですね。もう10年前に描かれた話だから子供達もみんな大きくなってるんだろうな〜。続編をぜひ読みたいです。
表題作の『デイト』を始めとして、南Q太の漫画のキャラたちは、大抵ひとりあらぬ方角に視線を向けている。メロドラマの描き手として、南Q太は、もうたったのこれだけのことで勝利しているといっても過言ではありません。 メロドラマですから、お年頃の男女が出合う。まあ、南Q太のばあいは、男と男のときもあれば、女と女のときもありますけど、性別はどうであれ、必ずといっていいほど出会った二人が視線をたがいに介そうとしないのです。デビュー当初から比較的ラフな線画でドライなメロドラマをいくつも描いていますが、どれもキャラの黒目には力が入っている。とりわけ、その黒目がどの方角を向いているのかが如実に描かれているのです。 南Q太はこのように視線を中心にしてメロドラマを構築する。視線がたがいに交わらないということで、そこに何かしらの関係性を描いてしまうのです。 表題作の『デイト』で言うなれば、まず交わらない視線劇の積み重ねがあり、その状況を打開するために、居酒屋の座敷で向かい合う男女、のぶおくんはテーブルの下に足を伸ばして、みどりさんのひざを小突く。これが決定的な瞬間となるわけです。視線は交わらないし、会話だって上手くいかないのは分かっている、だからこそ、この些細な行動が決定的な瞬間として利いてくる。事実、次のページで二人はラブホテルにいて、やっぱりおかしいよ、とか何とか言いながら身体を重ねてしまいます。そして、事後にはまた交わらない視線にもどってしまうんですけど、二人の関係性は事前とは大きく変わっているのです。
互いに子供がいる同士で再婚し、同居している家族の話。血が繋がっている同士とそうでない側で起こる些細なすれ違いや、元婚約者との関係、親戚付き合いなど、「普通」だったら悩むことのなかったような問題が次々と起こる。 本当ならこんな大変な状況で元気に生きているだけで100点、それで十分なのにも関わらず、「普通」がとんでもない暴力となって襲いかかってくる。 他人には見えづらく、想像もしにくい悩みの連鎖がとても丁寧に描かれていて、近い経験をした人には「ここに理解者がいる!」という気持ちになるのではないだろうか。誰もが何らかのマイノリティ。 終わり方はご都合主義的だけど、これくらいの救いはあっていい。
なんの前知識もなく読みました! 良いですね、なんかじわじわくる… 激動の人生!みたいなものがくるのかと最初身構えていたのですがそういう訳でもない。でも確かに物語に変化はあって、日常だけど丁寧でたまに落ち込みたまに喜ぶ。 特に良いなって思ったのは明海さんが家族でもないのに冷蔵庫を買おうって言うシーンですね…。 家族でもないいつ別れるかもわからない人と電化製品を買って、「自分が免許持ってるから運転免許なんていらないよ」って言う。 良いとか悪いとか出なく、ああ〜確かにこう言う人いるなって感じで。 そう言うところがリアルで丁寧で良い作品だなと思う訳です。
オリベいいなあ、友達になりたいなあ。 淡々としていて、だらっとしてそうだけど節約家で料理上手で、死ぬほど性格いいとか面白いとかじゃないけど一緒にいたらすごく楽しそう。オリベと旅行いきたいな、オリベめちゃくちゃ早く寝そうだな、バイト先にちゃんとお土産買ってくんだろうなと読んだだけでもう友達になったような気がしました。 かき氷のエピソードがいちばん好きです。昔好きだったものに感動しなくなっちゃうの、寂しいよね。わかるよオリベ。 家族、友達、猫、モノ…何と相対しても距離感を見誤らず自分なりの体温で受け入れる姿がとてもかっこよいのです。なんだかんだでしっかりしてるよなあ、オリベ。尊敬しちゃう。 ほんとにオリベと友達な気がしていて、なんか連絡したくなっちゃったのでほんとの友達とか家族とかに連絡でもしてみよっかなと思いました。
適度に突き放して、適度にくっついて、お互いのことが好きであれば人間関係においてこれ以上の幸せはないよな、と思った。 さくらさんと明海さんのお互いを尊重しながらも甘えるところはしっかり甘えて、そこに引け目を感じたりしない関係性が本当に素敵。 心からありがとうと思うことと、こんなにやってもらって申し訳ないなと思うことは似ているようで全然違うのだ。 さくらさんに対して素直にお腹空いちゃったとかもう一個食べたいと言う明海さんを見て、何故か泣いてしまった。友達でも家族でも呼び方はなんでもいい、心の底からからの安心とか信頼とかがあるからこその言葉だと思った。 冷蔵庫を買いに行くお話でも同じ理由で泣いた。 家族でも友達でも恋人でも、なんの駆け引きや後ろめたさもなしに心ごと預けたり預かったりするのは難しい。もしそんな人が1人でもいるなら、今はいなくてもいつか出会えるなら、人生って案外悪くないかもしれない。 推薦文を岡村靖幸が書いていたので読んでみたけど、岡村ちゃんもこんな家族に憧れるんだなと思ったらなんだか心が暖かくなった。
どれも南Q太さんらしい短編だな〜と思いながら読んでたら、タイトルにもなってる「地下鉄の風に吹かれて」という話でめっちゃびっくりした。こ、これ…南Q太さん本人の話じゃない…?「猫のたまご」っていう話もそうだよね…。 このセリフすごい。「でもいつも迷ってるんだよ、娘や君や私にとって最善の策がないかなって探ってるんだよ、それは考えをころころ変えているってことなの?」
一定の温度で話が進んでいく感じを受けた。低くも高くもならない、変に例えてみるならストーリーの速度、登場人物のテンションも36度の平熱。笑 青亀さんと美穂さんの恋も適度な距離感があって穏やかに進んでいくところがよかった。 むしろ、最後そうなったんだ!ってゆうくらい、私は美穂さんの気持ちが最後までわからなかった。
元旦から電子書籍版の発売通知がきてブチ上がりました。めちゃくちゃ面白い作品なんだけど本屋にないし、まんだらけでも中々見つけられなくて(あっても状態が悪いとか)、困っていたのでとっても嬉しいです。南Q太さんってエッチなのとか暗い話の作品もありますが、「夢の温度」と「オリベ」は私のイチオシ。この2作品があるから私は南Q太のことが好きだし、Twitterフォローするし、マンバで著者フォローするんだよな。内容的には日常モノで1話が2ページのショート漫画です。地味顔で愛想があるのかないのかも分かんないフリーターのオリベが主人公なんだけど、つつましい生活の中にも彼女なりのルールとか信念があって、読んでて憧れる。私はオリベみたいになりたいなと思う。
これって南Q太先生の初めての週刊連載だったんですね!その週刊連載が大変だったことは「ひらけ駒!return」のあとがきに書いてありました。力作揃いの週刊モーニングでは不評だったかもしれないけど、私としてはすごく面白かったので8巻で完結されてしまったのは残念です。まだ幼稚園に通ってるくらい小さい子がとっても強かったり、ふんわりおっとりしてて美人な女流棋士さんがめっちゃ強かったり、印象的だったあのキャラクター達はあれからどうなったんだろう…と気になってしまうことはたくさんあります。でも、今までルールも知らずに色んな将棋マンガを読んできた私にとって、初めて自分も将棋をやってみたいと思った作品でした!主人公の宝くんのママが見よう見まねで将棋を覚えてハマっていく姿を見ていたらマネしたくなり、今はアプリをダウンロードして勉強しています。将棋が強い子は「算数が得意!」とか「頭がいい!」なんてイメージがありましたが、宝くんを見ていてそういう自分の思い込みが払拭されていくのが快感でした。何かに熱中することのドキドキと挑戦することのキラキラを味わえます!