ドラマにもなりましたが、皆が助け合って生きていた時代のお話。 戦争を知らない世代ではあるけれど、戦争は二度と起こしてはいけない。と強く思う作品。子供たちにもぜひ読ませてみたいです。
表題作「かっぱのねね子」は、元々は子ども向けの雑誌に連載されていたとのことで、読んでて微笑ましい気持ちになるようなかっぱの少女を描いた作品。児童向けとはいえ、フルカラーで一コマ一コマ細やかな表現が描きこまれており、大人が読んでも充分楽しめる内容だ。 ただ、本の半分以上は過去の未収録が中心で、1冊まるごと児童向けかというとそうでもないので、もし子どもにプレゼントする機会があれば選ぶかどうかはよく考えた方が良いかも。 漫画だけでなく、見開きのイラスト画もあり、スケッチコラムもありと、充実した内容で、冷静に考えるとこの本の値段が900円台で買えるというのは結構お買い得ではないだろうか。(物価高の現在なら1400円とかしてもおかしくない気がする)こうの史代の世界観が好きな人ならまず買って損はなしです。
クズだけどどこか憎めないダメ男と、のほほんとしたおおらかな女性の夫婦生活を描いた作品。全体的にほのぼのとしてて好きです。荘介殿の女癖の悪さや道のふところの広さに呆れつつ、いっぽうでなんだかこんな生活いいなぁと思ってしまう。さいしょは道のことを快くおもっていなかった荘介殿がだんだん道に惹かれていく様子がかわいい。道のほうは基本的におっとりしてて、クズな夫にも優しいのだけれど、その裏で元カレへの執着があることを匂わせたり、父との関係にすこし不穏な気配を孕んでいたり、芯のつよいところを見せたりと、ときどき闇が垣間見えるようでぞっとする。ふたりの微妙な距離感はたがいの無関心の裏返しなのでは?とも思ってしまうような描写もちらほら…… ほのぼのしつつもどこか怖い、でもやっぱり癒やされる、素敵な作品。 小ネタなどもたくさんあるので、何周でもたのしめるのもグッドポイント♡
女の子がニワトリを飼うんですが、鳥ですからあまり人間と意思疎通もできませんし、割と淡々と物語は進むんですが、たまにハッとするくらいが魅力的なシーンがあります。特に河原がよく出てくるんですが、そういう時にそこに流れている風とか匂いとか夕日の色なんかが、白黒のコマからはっきりと伝わってくるんです。こうの史代先生は実際に子供の頃にニワトリを飼っていて、よく土手を散歩されていたそうなので、その思い出がそのまま漫画になっているのかもしれません。自分の懐かしい記憶もなんだかよみがえってきました。
学校に置いてあるマンガは人生に大きく影響を与えると思う 『マンガで作ろうマンバ学級文庫』学校に置きたいマンガを語るマンバ読書会開催! ということで真っ先にこの作品が思い浮かびました。 第二次世界大戦後の広島の被爆者とその家族をテーマとした作品です。 すべての地域・年代かはわかりませんが、私の学校には中沢啓治先生の「はだしのゲン」が学級文庫に常備されており、それこそ読み漁ったものです。 その影響は凄まじく、戦争の悲惨さ無残さが私の中に深く刻まれました。 ただ、一部のニュースや投書を見ると「はだしのゲン」は「内容がグロすぎる」という意見があるようです。 (私はそのグロさも含めて知る必要がある事実として捉えていますが、この意見に対して否定はしません) この作品はこうの史代先生の優しいタッチもあり、表現こそマイルドではありますが読後の心に刻まれる気持ちはゲン同様だと思います 是非学級文庫へ
映画にもなっているので、もう少し長い話かと思っていました。「夕凪の街」と2話からになる「桜の国」、合わせて100ページ少々。決して情報量は多くありません。しかしセリフやしぐさの裏側にある何かが心にひっかかり読み応えある作品。生死、愛情、平和…、ありきたりだけど、いろんなことを考えさせられてしまいました。特にそれを意識したのは、「夕凪の街」を読んだ後。原爆が投下されてから10年後のヒロシマ。被曝しながらも生き残った女性を描くこの作品には、全編にうっすらと”哀”が漂っています。そしてほぼモノローグで語られる、繊細ではかないラスト3ページ。なんとなく、白いページにほんのりと薄紅がのって、桜の花びらのようにコマが散っていく、そんな印象を受けました。それでいて、話として何も終わらせてくれない。あとがきにもあるように、読んだ後にどう自分の中で消化していくかによって、この作品の世界観は完結するのでしょう。短い作品でも読後に残る心の作業は多いと思います。
広島の話。 重い話を重くなく、でも変に軽いわけでなくスッと入ってくる漫画。 やっぱこうの史代作品はいいですね… たまに読み返すと気が抜けるようで背筋伸びる感じします…。 矛盾してますがそんな感じ
鳥獣戯画ベースのイラストや素材って最近特に人気がありますね。 この本は「漫画特有の記号」=「漫符」をテーマに、戯画モチーフのゆる~い4コマで解説してくれています。もうね、本当にこのキャラクター達(特にウサギ)が可愛すぎて…ふむふむ言いながらにやけてしまいます。 「この世界の片隅に」でこうの史代さんを知ったんですが、こんなにキュートな動物を描くのか!!と感動しました。
料理の素材と作り方のコマ割りが面白い! そして、すゞの描く『鬼イチヤン』も楽しめる♪
絵柄と作風が題材に合ってるってのはまさにこのこと。合いすぎなくらいでは。 花屋さんの二人もいいけど、少女(犬)と飼い主の話とかめちゃくちゃ可愛いくてほっこり! このコマとかめちゃくちゃよくないですか
ドラマにもなりましたが、皆が助け合って生きていた時代のお話。 戦争を知らない世代ではあるけれど、戦争は二度と起こしてはいけない。と強く思う作品。子供たちにもぜひ読ませてみたいです。