教師と教え子の関係でありながら互いを愛してしまったチェスター先生とロザリィ。1年後必ず帰ってくるという先生の言葉を信じて部屋に閉じこもるロザリィのもとには、いくら待っても手紙の一通すら届かない。他人からの愛を受け付けずに辛く苦しい日々を送る彼女だったが、徐々に運命の歯車が回りだしてゆくことに──。『ベルサイユのばら』の池田理代子が描く、力強くも繊細な恋愛劇。
中学2年生のさち子には想いを寄せる先生がいる。その愛おしい先生がフルートで奏でる「メヌエット」に合わせたピアノ伴奏を頼まれちゃった──!と喜んだのも束の間、もしかして先生が好きなのは他の女生徒なの?『ベルサイユのばら』の池田理代子が描く、爽やかな青春の物語。
パリに住む精神科医のもとに訪れたのは、クローディーヌ・ド・モンテス。優れた資産家の父によく似た男らしい容貌と性格を持つ、たった10歳の娘だった。彼女は自分のことを男だと言い、小間使いのモーラという女に初恋をする。しかし大人たちはだれもそれを認めてはくれないのだった。クローディーヌはその美しい人生の中で幾度となく「不完全」な性と愛に翻弄されることになる──。『ベルサイユのばら』の池田理代子による、今こそ読んでほしい短編作品。
小学6年生の向井純子のクラスに転向してきた三沢小滝は、大きな瞳が印象的な美少女。小滝はまるで幼い妹が姉を慕うように、純子に近づきたがった。しかし純子は小滝の美しさに嫉妬し、冷たく突き放してしまうのであった……。
リズのボーイフレンドであるトニーは、施設の子どもたちに人形劇を披露して回る、マリオネットサークルの一員である。リズはトニーを誇りに思っていたが、彼がサークルに熱心なのはサークルに美しい女子部員がいるからだと誤解してしまう。ある夜、傷ついたリズの前に不思議な少女が現れて――
シェイクスピアが残した四大悲劇の最高傑作、『オセロー』。人種を超えて結ばれたオセローとデズデモーナの、深く愛し合ったがゆえに迎えてしまう悲しい運命を描いた作品。
大学生の家庭教師、堀に勉強を教わり第一志望の高校に入学できた小牧緋沙子。堀は就職が決まり、もう会えなくなることから緋沙子はさみしい気持ちになる……。そんな折、堀が緋沙子の両親に結婚を前提とした緋沙子との交際を申し込んでくれたのだ。その日以降、緋沙子と堀はデートを重ねていく。自宅の側に植えていた沈丁花を堀にプレゼントし、「下宿のおへやにでも飾って」と伝える緋沙子。デートをしているところをクラスメイトに見られて冷やかされても幸せを感じる緋沙子だった。そんなある日、堀の部屋へ行き、一線を越えそうになるのだが怖くて拒否してしまう。それでも堀は「きみの全部がほしい」と緋沙子を抱き寄せる。しかしその時、堀の口から思いもよらぬことが告げられる。過去の女性とのこと……。緋沙子はショックを受け、堀と別れてしまうのだった……。二人の愛の行方はいかに!?
大学院生の彼・達治からもらったエンゲージリングを指に光らせて、それを羨む同級生に微笑みかける令子。しかし彼女のバラ色の人生は、達治が引き起こしたとある事故をきっかけに一転する。二人の運命は交錯し、すれ違っていく。『ベルサイユのばら』の池田理代子が送る、戻らない青春の切なさを描いた作品。
うつくしい田園地方、慈悲深い領主の家に生まれた兄弟。しかし兄のフェルディナントは父の目を盗み領民たちに横暴を働き、金のためにと愛してもいない貴族の女との結婚を目論む。見かねた弟ユリウスが家を飛び出した先、森の中で出会ったのは世にも美しい少女、メルジーネだった。謎に満ちた彼女が兄弟の心を翻弄する中、祖国の運命をかけた命がけの戦いがまさに始まろうとしていた───。『ベルサイユのばら』の池田理代子が送る、愛に満ちた劇的な短編。
午後4時、上野駅の改札に佇む人々。それぞれの人たちが様々な思いを抱え、時計を眺めている。不安げな表情、にこやかな表情、何かを決心したような表情──。誰かを「待つ」という行動の中に隠れた心情をセリフを使わず華麗に描いた、『ベルサイユのばら』の池田理代子による印象的な短編。
誰もが慕う心優しい優等生の萩原涼子と、貧乏で汚らしい見た目のせいでいじめられる山田やすえ。裕福な家庭に恵まれた涼子は、なんとかしてやすえに手を差し伸べようとする反面、自分の中に黒い感情が生まれるのを感じていた。どんな少女も、人の世の哀しさを知らない子どものままではいられない──。
中学2年生のさち子には想いを寄せる先生がいる。その愛おしい先生がフルートで奏でる「メヌエット」に合わせたピアノ伴奏を頼まれちゃった──!と喜んだのも束の間、もしかして先生が好きなのは他の女生徒なの? 『ベルサイユのばら』の池田理代子が描く、爽やかな青春の物語。
《パラノイア》 とみ子は人一倍さみしがりのガラス細工のようなもろい心をもった女の子。そして異常なまでの独占欲と自意識過剰さも併せ持っていた。「あたしはいつも男の人につきまとわれたり一方的に思われたりでわずらわしい思いをし続けてきたの」、彼女の言動と行動が周囲の人々を不幸に巻き込んでいく! 池田理代子が描く、衝撃のサスペンス!! 《ズライカ》 ズライカが愛していたカールは戦争で帰らぬ人になっていた。しかし、ズライカはカールが戻ってくることを信じ、待ち続けるのだった。一方、コンラートはズライカに思いを寄せていた。ズライカの一途で純粋な想いがコンラートの心や行動を翻弄し、一生を支配していく……。恐ろしさとともに女性の本質が描かれた短編!
ドイツ・レーゲンスブルクの音楽学校にある“オルフェウスの窓”と呼ばれる古い窓には、ギリシア神話になぞらえた言い伝えがあった。窓から見下ろした時、一番初めに眼界に入った女性と宿命的な恋に落ちるが、その恋は悲劇に終わるという―。 アーレンスマイヤ家の跡取り息子として音楽学校に転入したユリウスは、同日に転入したイザークとオルフェウスの窓で出会う。後日、ユリウスは同じ場所で上級生のクラウスが涙を流している姿を見てしまい…。 歴史と運命に翻弄された人々を描く名作がセミカラー版で登場!
鳴瀬は偶然知り合った女性を地下鉄で見かけ、彼女が前の男性を突き落としたのを目撃してしまう!!親友、速見不二彦と奈良順子と共に彼女の身辺を調べはじめるが…池田理代子が贈るサスペンス・ドラマの傑作第一集!
杳子は妾の子供として生まれ、複雑な家庭環境に育った。二十歳になった杳子は、自宅に下宿する崎山に好意を寄せられる。しかし、杳子は崎山の友人・滑川に密かに想いを寄せていた…女性の生き方を問う池田理代子入魂の愛の物語第一集。
柘榴ばかりを描き続ける画家・波木邦子。真下史生は彼女に出会って以来、どうも体調がすぐれない。心臓はしめつけられるし、脈拍は乱れるし、不整脈かもしれないと思いはじめたが…邦子にまつわる男たち、女たちの背負う人生を通して人間の深層心理をするどくえぐる傑作作品集第1弾。
結婚して10年がたった頃、夫の浮気が発覚した。離婚を切り出され、ショックを受ける杏子のところへ、昔の上司だった紅林から連絡が入る。杏子の胸に過去の苦い想い出が蘇って…結婚と仕事、夫婦と愛情、人生を見つめ直し、自立への道を探る女たちの姿を鮮やかに描き出す。
章子はある日突然両親を交通事故で失ってしまった…ひとりぼっちになってしまった章子は桐島家にひきとられたが、気を使う日々、特に桐島家の長男・薫に何故かつらくあたられて…