アゴなしゲンとオレ物語
平本先生
アゴなしゲンとオレ物語 平本アキラ
酒チャビン
酒チャビン
スーパーボールガールという作品を目にして、気になったのですが、まだ1巻しか出てないということで、他の作品を見てみようと思ったら、なんと絵柄的には同一人物の作品とは思えないゲンさんが!!! こちらの作品、私がもっとも堕落した生活を送っていた大学生時代にヤンマガでやっていて、そんな堕落して大量の時間を持て余していた時期にもかかわらずトバしていた作品でした。。。 再読してみたのですが、やはり私には合いませんでした。ギャグのセンスが少し私とずれているのかも知れません。 同作者のやりすぎコンパニオンとアタシ物語という作品も読んだのですが、こちらはギャグセンス自体はそこまで変わってないのにもかかわらず読みやすかったです。 平本先生のストーリーとかギャグとかキャラとかは、結構とんがりがキツく、オゲレツ度も飛び抜けているため、それを中和し、万人に届けるためには、シュッとした絵が是非とも必要だったのかも知れないと思いました。そういう意味で、本作の連載を続けながら、絵柄の華麗なる転換を遂げたのは、かなり先生にとってのターニングポイントになってると思います!これが早期打ち切りになっていたら日本のマンガ史も大きく異なっていたことでしょう。 絵がだいぶシュッとしてくるのは12巻くらいからなのですが、すでに登場人物を愛せなくなってしまっていたので、キライから好きに変わることはむずかしく、ファンの方には申し訳ないのですが、15巻でドロップしてしまいました。すいません。。。スーパーボールガールズに期待してます! 平本先生の絵の進化を目撃したい人にはオススメです!!!! ただ、「早く帰んなきゃ!! アニメ『男の星座』今日が最終回だぞーーー!」は笑ってしまいました。
俺と悪魔のブルーズ
きっと「青空」は変わらない
俺と悪魔のブルーズ 平本アキラ
ナベテツ
ナベテツ
アメリカの痛ましいニュースが届いた日に、久々に単行本を手に取りました。黒人が明確に差別されていた時代の伝説のブルース・ギタリスト、ロバート・ジョンソン。 RJが生きた時代のアメリカでは、リンチが普通に行われています。それは人々の差別意識が社会における「常識」だったからです。当然、現代においてそれは否定されるものです。しかし、その意識というのは地下茎のように隠匿されているだけなのかもしれないと、悲報を聞く度に突きつけられているような気にさせられます。 ブルーハーツの永遠の名曲に、「青空」という曲があります。十代の頃にこの曲を聴いて、多少は他人に優しくなれただろうかと、四十代の中年は自省をします。RJの生きた時代も、空はきっと青かったのだろうし、100年先でも空は青いままだろうと。 作品についてあまり触れていないのですが、この作品は音楽マンガとしてもアクションマンガとしても歴史マンガとしても超一級の作品です(描くのが難しい作品であることも容易に想像出来るのですが…)。 どれほどの時間がかかろうと、この作品がきちんと完結することを願っています。 マンガとは関係のない蛇足ではありますが、故・石田長生さんがRJを唄った「汚職」という曲があります。悪魔との取引を「汚職」という言葉に込めた言葉のセンスの素晴らしさがとても光る曲なのですが、トリビュートアルバムでヒロトがカバーしていることも併せて記しておきます(「青空」は石田さんもカバーしてます。以下、本当に蛇足でした)