『藪の中』は1922(大正11)年に発表された芥川龍之介の短編小説です。藪の中で起きた殺人事件について、関係者の7人が尋問を受けました。第一発見者の木こり、被害者の男を目にした旅法師、容疑者の多襄丸を捕まえた男、被害者の妻・真砂の母親、そして多襄丸、真砂、被害者の男の死霊までもが事件について語りましたが、どの証言も微妙に食い違います。しかも、7人のうち3人が男の殺害を自供しました。一体誰が、どういう理由で男を殺めたのか……証言を聞けば聞くほど真相が分からなくなっていくのです。『藪の中』は黒澤 明監督が「羅生門」のタイトルで映画化したほか、天海祐希と豊川悦司が主演を務めた「MISTY」、小栗 旬演じる多襄丸が主人公の「TAJOMARU」など、数々の映画作品になっています。改めて芥川龍之介の名作を読み返し、人間の弱さやエゴイズムについて考えてみてはいかがでしょうか。
日本最古の史書、日本書紀の中にも登場し、北斎など一流浮世絵師が描いている河童は日本全国に伝説を残している。上高地に向かう途中、バッテリーがあがってしまい、山奥で途方に暮れる青年の前に現れた河童。青年が河童に連れて行かれたのは、なんと河童の世界だった。だがそこは、河童と獺が戦闘をしている世界で…。芥川龍之介の名作「河童」「藪の中」をコミック化した二作品を収録。
子供向け漫画の2大名作「フーシギくん」「ムーラちゃん」の他、ほとんどが単行本未収録だった幼年漫画と絵物語を完全収録! 芥川龍之介、小泉八雲、浜田廣介、松谷みよ子とのコラボで挿絵画家としての才能を存分に発揮した魅惑の作品群! 「水木しげる漫画大全集」-半世紀以上にも及ぶ漫画家生活初の集大成。「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」「河童の三平」などの代表作から、貸本時代、風刺、戦記など様々なジャンルに及ぶ水木しげるの漫画作品を、京極夏彦責任監修の元、完全網羅。最新デジタル技術を駆使し最高画質を達成。第1期33巻。
「あでやかな上臈(じょうろう)が黒髪を乱しながら悶え苦しんでいるのでございます――」時は平安時代。天才絵師と謳われる良秀は、大殿様から「地獄変の屏風」を描くよう命じられる。実際に見たものしか描けないという彼は、地獄絵を完成させるため、業火に焼かれ悶え苦しむ女を見たいと訴えるが…!? 芸術に対する究極のエゴイズムを描いた『地獄変』と、人間社会を痛烈に風刺、批判した『河童』。芥川の心情を色濃く反映した傑作2編を漫画化!!
人生のはかなさを感じているひとりの青年。知識に富んだ彼は創作活動に精を出し、作家としての地位を確立していくが、神経質な性分と多忙な生活から自分を見失い、精神的にも肉体的にも抜け出すことのできない闇の中へと身をゆだねていく……。『或阿呆の一生』と『歯車』――芥川龍之介晩年の自伝的作品2編を漫画化。
俺もそうしなければ餓死する身なのだ!「鼻」「歯車」「河童」等、多くの短編小説を残した大正文壇の寵児芥川龍之介の代表作。表題作の他、今昔物語を題材に描いた「王朝もの」と呼ばれる作品2編を収録。天災や飢餓に苦しむ平安時代の京都。都のシンボル羅生門にも盗人が住み、死人が捨てられ荒廃していた。屋敷をリストラされ路頭に迷う使用人が、死人の髪の毛を盗む老婆と出会い、生きるための手段を模索する。企画・漫画:バラエティ・アートワークス