ネタバレしないように内容には触れず。 漫画には、漫画文法と映画文法があると思う。 前者は、モノローグを多用したり、コマ割りの工夫によって、内容とは関係のない部分、つまり漫画的演出によって、感情を揺さぶる。 後者は、多くを語らず表情や仕草を使う。またコマ割りでの演出は控えて、シンプルなコマ割りの中でカメラアングルによって演出する。 他にもたくさんあるが、とりあえず。 そして、この漫画は、後者よりではあるが、たまに漫画的文法による表現もある。最初の性行為のシーンなど。その融合が面白い。 この漫画の問題点は、「露悪」的な部分にあると思う。カミュの異邦人や石原慎太郎の作品群などの露悪的な作品には、人間の「自由意志」を述べることを目的としている。 この作者の露悪さが、不愉快さをただ意味もなく表現している、つまり作者のフェチズムの表現だとしたら、空っぽな物語で読む価値は無い。 今のところ、こんな暗い感じってカッコイイだろ?というただのファッションに見える。まだ始まったばかり。これからに期待したい。
※ネタバレを含むクチコミです。
本田優貴先生は「東京闇虫」「ただ離婚してないだけ」「あたらしい結婚生活」など、現実よりな話が多かったですが、本作はファンタジーっぽい作品。 だけど、これも安定の面白さです。 いじめにより、家に放火までされ家族を亡くした神木と 神木と同じ中学出身で彼らにイキっているが、実際はショボくて、酷いイジメにあっていた先輩・富沢。 このW主人公?ですすむ話。 富澤が、昔いじめられていた相手に拉致られ山奥に捨てられた後、 そこで木のような謎の物体に飲み込まれて不思議な能力を手にする。 そして、うまく制御できないことで、その能力(手からビームがでると自称している)により、前述のいじめられていた相手を、偶然にも、殺害してしまったことから物語が始まります。 そこから、似たような特殊能力をもつ集団が富沢を狙ってきて・・・という展開。 その集団は、国家から秘密裏に組織された集団のようですが、目的や狙いが何なのかは今のところわからず、ただ、こういう暗躍している感じワクワクしますね。 しかも、3巻では、その組織も内部分裂しそうで、二重三重に張り巡らされたスリリングな展開に目が離せないです。 また、二人の主人公も対比的で面白い。 一見まともそうに見えるが、世の中には生きる価値がなく、そういう人間を殺しても問題ないと豪語する、神木。 復讐のため、富沢のような能力を求めて奔走します。 一方、リーゼントの風貌とイキリちらしている様子とは裏腹に根は優しいのか、特殊能力で殺してしまったことを悩んで自首しようとする富沢。 能力も、誰かを守るためにしか使っていない。 (前述の、いじめ相手を殺してしまったのも、神木を守るため) 建前上親友となっておりますが、微妙に噛み合っていない二人の価値観が今後の展開に影響しそうで、最後二人は闘うのかな?とか予想するだけで面白いです。 上述しましたが、3巻に入って組織内部で反乱がおき、大きく動き出してきた感じで、4巻も楽しみになってきました。 神木も能力を手に入れるのだろうか?期待です。
不妊治療に800万以上かけ、私生活の全てを犠牲にして子供望んだ夫婦の話。 結局、子供には恵まれず絶望した果てに、次は、これまで我慢してきたからお互いやりたいことをやろうという流れ。 まだ、2話なのですが、この夫婦に漂う狂気に、私釘付けです。 そもそも、お金持ちでもないのに不妊治療で800万も注ぎこむ(そしてそのために生活を極限まで切り詰めていく)時点で尋常じゃないと思うのですが…。 特に、夫の亭主関白?というかモラハラ?のような態度がちょいちょい垣間みえて、今後どう発展していくのか気になってしょうがないです。 「ただ離婚してないだけ」で魅せてくれた、夫婦の狂気が本作でも発揮されてくるのかと思うと続きが気になって仕方ないです。 甲斐甲斐しく夫ののぞみをかなえる、良いとこのお嬢様的な奥さんが幸せになってほしいです。
ネタバレしないように内容には触れず。 漫画には、漫画文法と映画文法があると思う。 前者は、モノローグを多用したり、コマ割りの工夫によって、内容とは関係のない部分、つまり漫画的演出によって、感情を揺さぶる。 後者は、多くを語らず表情や仕草を使う。またコマ割りでの演出は控えて、シンプルなコマ割りの中でカメラアングルによって演出する。 他にもたくさんあるが、とりあえず。 そして、この漫画は、後者よりではあるが、たまに漫画的文法による表現もある。最初の性行為のシーンなど。その融合が面白い。 この漫画の問題点は、「露悪」的な部分にあると思う。カミュの異邦人や石原慎太郎の作品群などの露悪的な作品には、人間の「自由意志」を述べることを目的としている。 この作者の露悪さが、不愉快さをただ意味もなく表現している、つまり作者のフェチズムの表現だとしたら、空っぽな物語で読む価値は無い。 今のところ、こんな暗い感じってカッコイイだろ?というただのファッションに見える。まだ始まったばかり。これからに期待したい。