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原正人
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原正人の作品の感想・レビュー
12件
ギリシャ音楽「レベティコ」が持つ人生の空気
レベティコ-雑草の歌 原正人 ダヴィッド・プリュドム
ANAGUMA
作品全体を通して「ハシシ」と酒の匂いが漂ってくるような、うらぶれた空気感とやくざ者のやりとりが特徴的な本作。 グループにひとりずつメンバーが増えていき、酒場から酒場へ移動しながら音楽を奏で、そしてまたひとりずつそれぞれの日常へ帰っていく…一昼夜を通した喧騒のなかでそんな出会いと別れが描かれます。 卑近な喩えであれですが、学生時代に気心の知れた連中と昼から集合して何件か店をハシゴしてそのまま「オールでカラオケいくか!」って息巻いて夜を過ごし、途中からもうガス欠になってるんだけど意地で起き続けて朝にはもうヨレヨレになって解散する…みたいな、仲間と騒ぐいつの時代もどこの国でもあるのかなぁ、と思って身近に感じました。 なんでもない一日ですが、本作の場合は戦争がすぐそこまで近づいてきている前提があるので、そこの捉え方はまた違ってきますね。 本編の内容とは別に巻末に登場人物紹介があるので、そこから読み始めるとキャラクターの把握がしやすくていいかもしれません。
松本から地下鉄へ…
MATSUMOTO 原正人 LF・ボレ フィリップ・ニクルー
名無し
※ネタバレを含むクチコミです。
外国人の目から見た地下鉄サリン事件!
MATSUMOTO 原正人 LF・ボレ フィリップ・ニクルー
書肆喫茶mori店主
地下鉄サリン事件から25年… いまだからこそ読みたい1冊です! この作品の興味深いところは、地下鉄サリン事件の前日譚であるところ。 遡ること1年前に起こった松本サリン事件を中心に、事件に巻き込まれた人々、テロにかかわった信者、犯人と疑われた人、事件を追う刑事たち…それぞれの視点で描かれる。 登場人物はあくまで架空ではあるものの、事件が周到に用意されていたこと、オウム真理教の内部、事件によって人生を狂わされた被害者たちの生活などがとてもリアルで胸に迫ります!
ジブリやスチームパンクファンにも読んでもらいたい19世紀SF少年活劇!
星々の城 1869年:宇宙の征服 原正人 アレックス・アリス
書肆喫茶mori店主
エーテルと呼ばれる物体が宇宙に満ちていると信じられていた時代、19世紀。バイエルンを舞台にしたSF少年活劇! ジブリやスチームパンクファンにも読んでもらいたい作品! エーテルを研究して空に飛び立ったまま帰らない母の手帳に導かれバイエルンに向かった少年セラファン。そこには秘密裏に空飛ぶ機械を開発している謎めいた王ルードヴィヒがいた。セラファンはバイエルンで出会ったゾフィー、ハンスとエーテル騎士団を結成し…… 少年たちに胸踊る冒険が待ち受ける! とにかく色彩が美しい! バイエルンの街並み、ノイシュヴァンシュタイン城、空飛ぶ機械に、星々がきらめく宇宙… 淡い水彩で描き出されるシーンのどこをとっても美しい! 個人的には精密に作り込まれた飛行船のパースにときめいてしまいます…!
かわいくて、ちょっぴりダークなメルヘンファンタジー
かわいい闇 原正人 マリー・ポムピュイ ファビアン・ヴェルマン ケラスコエット
書肆喫茶mori店主
海外コミックはじめて読むけど何から読んだらいい?というかたにオススメしたい作品です! あることをきっかけに、安住の地から解き放たれた小人たちのものがたり… 右下にのぞくかわいい女の子や、ブルーが美しい表紙カバーにだまされてページをひろげると、少しビックリするかもしれません。 本能に忠実な小人たちの、ちょっぴりダークでかわいい世界。 ぜひぜひその結末を見届けてほしい。
年上の少女に垣間見える十代の初心さ
年上のひと 原正人 バスティアン・ヴィヴェス
書肆喫茶mori店主
少年と少女のひと夏のヴァカンスを描いた作品です。映画を観たあとのような読後感が楽しめる。 ものがたりは二人の母親の流産の告白から始まる。姉がいたかもしれない13歳の少年アントワーヌと、弟ができたかもしれない16歳の少女エレーヌ。 アントワーヌは終始エレーヌに翻弄されているが、年上ぶっているエレーヌも年相応の初心さが垣間見られるように見えるのがたまらない
エロくて爽やかなヴィヴェスの胸キュンマンガ
年上のひと 原正人 バスティアン・ヴィヴェス
ANAGUMA
バスティアン・ヴィヴェスの線はとにかくなんかエロいです。 特別性的なビジュアルを志向している画風でもないのに(巨乳のキャラクターは多いけど)なぜかエロい。そして爽やかです。 エロいのに爽やか。 『年上のひと』はそんなヴィヴェスの「エロ線」の魅力がこれでもかと詰まった作品です。 自分より3つ年上のエレーヌに13歳の少年アントワーヌが抱く憧れ、友情、恋心、欲望…そのいずれとも完全に分けきれぬ複雑な心情を表現するのに彼の線以上にふさわしいものはないように思えます。フランスの10代のリアルみたいなのがすごい。 また、この作品が素晴らしいのはエロいだけじゃなくて、優しさも溢れていることです。 アントワーヌもエレーヌもそれぞれ孤独やさびしさを抱えています。 お互いがそっと寄り添うことで優しさを分かち合う、思春期のピュアさがじんわり沁みてくる…。 エロさあり、やさしさあり、妙なナマナマしさありでヴィヴェス史上最高の胸キュンマンガです!
色んな人に手にとってほしい作品
ナタンと呼んで 少女の身体で生まれた少年 原正人 カトリーヌ・カストロ カンタン・ズゥティオン
名無し
絵が可愛かったこともあり、知ったその日に購入し読みました。 僕自身もFtMなので主人公ナタンには感情移入が止まりませんでした。 僕はナタンと違って性別に違和感を覚えながらも、スポーツが嫌いで可愛いグッズが好きな男だったこともあり男性と自認をしたのは最近ですが、思春期になり女性の姿へと変化していくことに怯えるナタンの「子どものままでいたい」と零す悲痛な姿を見て、あの時のあの感情あの想いは自分だけじゃなかったのだと安心すると同時に当時の自分を思い出し胸が締め付けられました。 日本に限った話ではないですが、多くのメディアではトランス女性の話はよく聞くけれどトランス男性の話は少なく(ボーイッシュという言葉の存在による弊害も大きいのかもしれません)、FtMを大きく取り上げる事が少ないのでこういった作品が多くの人の目に触れられると良いなあと思います。 訳者の後書きでFtMを取り上げた作品を紹介しているところも良かったです。
1人の少年が身体を手に入れるまでの物語
ナタンと呼んで 少女の身体で生まれた少年 原正人 カトリーヌ・カストロ カンタン・ズゥティオン
たか
新刊発売を楽しみに待っていた作品。 小さいころは男でも女でもなく「子ども」でいられた主人公・リラが直面した、二次性徴という危機。それをどうやって乗り越えて、男性としての身体と人生を手に入れたのかを成長に合わせてじっくり丁寧に描かれていて素晴らしかったです。 またナタンが「自分は何者なのか」という葛藤や家族との摩擦の中でも、髪を短くしたり、弟のTシャツを着たり、彼女と付き合ったり、自分がやりたいことを貫いた姿がとても心に残りました。 わたし自身は、ナタンのように男の子とスポーツで遊ぶ方が好きな子どもで、当時は大人の女性にはなりたくないと思っていました。とはいえ身体と性自認が一致していたことで、ナタンのような大きな葛藤なくいつの間にか性別を受け入れて大人になることができました。 このマンガを通じて、『自分がたまたま経験しなかった苦しみ』の存在があることを知れて、本当によかったです。 作品の舞台設定に関して、主人公が部屋中にジャスティン・ビーバーのポスターを貼っているシーンやスマホから、舞台は現代(から少しだけ前)なのかなと想像しつつ読んでいましたが、あとがきによると主人公のモデルとなった人物は現在大学生だそうです。 友達とFacebookのメッセージ上で揉めたりクラブに行く描写は、彼が同じ時間を生きているのだととても身近に感じられました。 最後に、出版社である花伝社のnoteがとても素晴らしかったのでここでシェアします! FtMの方の『一人称のお話』や、原作者が副題に込めた『少女が少年に「なった」物語ではない』というエピソードなど…様々な方の想いを大切にして作られたことが伝わってくる素晴らしい記事なので、ぜひ「ナタン」を読んだ方はチェックしてみてください。 https://note.mu/kadensha/n/n77106bb5c3f9
アスペルガー症候群の女性の自伝的バンド・デシネ
見えない違い 私はアスペルガー 原正人 ジュリー・ダシェ マドモワゼル・カロリーヌ
鳥人間
※ネタバレを含むクチコミです。
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