友だちという概念の解像度が高すぎる。 友だちは大切にしようと幼い頃から教えられてきたのに、些細なきっかけで失うこともある。 結婚、出産、恋人の有無、性別など、誰も悪くないことが理由で疎遠になってしまう。優先順位が変わったり大事なものが増えたことを裏切りのように思ってしまう。 友だちとくっついたり離れたり依存したり出会ったりしながら、自分を見つめなおす女性たちのお話。 友だちというか人間そのものがめんどくさいな…と思ってしまうけど、最後まで読むと友だちに連絡したくなるはず。 なんだかんだ友だちって大切です。
何か大きなきっかけがあったわけでもないのに、離れてしまった友達がいる。恋愛なら自然消滅なんて既存の言葉に当てはめられるけど、友達と他人の境目ってよくわからない。 やり直せたら、傷つけないのに。大切に丁寧に間違えないようにするのに。 そういう甘くてほろ苦い高校時代の思い出を描いた作品。 とある出来事がきっかけで仲良くなった要とはるか。 進路や家族の悩みを話したり、学校の裏の川をお散歩したり、何気ないことが幸せだった。 やがてはるかはお洒落や恋愛に夢中になって、クールな要との間に少しずつ隔たりができていく。 一瞬だけ心がつながったけれど、結局それっきりになってしまった。 はるかは子どもだったし、要は言葉が足りなかった。ただそれだけのこと。 過ぎ去ってしまえば見えてくるものもあるけれど、取り戻すことはできない。 戻れない日々を懐かしむような、素敵な作品だった。
深夜にこっそり聴くラジオっていいですよね。 今はSNS全盛期なので薄れていますが、自分しか知らない秘密基地感がある気がします。 イラストレーターのカホ、中学生のアキラ、主婦の由美。 ミネラルラジオという番組のリスナー3人が、それぞれの生活を送るだけのお話。 人生も恋愛も家庭も夢も、自分の思い通りになることなんてほとんどなくて。でも、なんとなく幸せなふりして生きていく。 ラジオきっかけに少しだけ人生が動く3人ですが、いい方向に進むわけでもないのがとってもリアルです。 ラジオが終わっても恋が終わっても人生は続いていきます。 ほろ苦いけど人生悪いことばっかりじゃない、そう思える作品です。
寝る前に読みたいささやかな物語。深夜0時に始まるラジオにリスナー3組の日常を描いた作品です。特にカホちゃんの話はすごく優しくて残酷。冬川智子先生の描く切ないのにあたたかい空気感大好きです。
読んでいて、ちびまる子ちゃんが今女子高生だったらこんな感じかもなと思った。 どうせあたしなんか…と自分を卑下しながらも、心のどこかでは自分のポテンシャルを信じたい。いつか自分もあちら側に…という期待を捨てることができない女子高生の自意識がパンパンに詰まった、笑える青春?マンガです。 中学までの地味だった自分を捨て、高校デビューを目論むも根っからのオシャレ人間たちとの圧倒的な差を見せつけられ、絶望する主人公の鳩。かといって地味女子グループに入ることはプライドが許さない。 比較的自分とレベルが近いと思っていた友達も、オシャレになって恋をして彼氏ができる。比べて自分は“男子に話しかけられるか”を日々の目標にする始末。 流行りのおくれ毛を作っていったらボサボサだし疲れてる?と言われてしまうくだりは涙なしでは読めません(笑い涙です)。 鳩はそんなオシャレグループにかすりもしない自分に対して思い悩みながらも、全体的にノリが軽いのが読んでいて楽です。 鳩に自分を重ねて、自分の高校生活を振り返って、しょうもなかったけどそんな自分も今思えば未熟で愛おしいな、と思えるかもしれません。
人と合わせることができず、友達がいない高校三年生のつぐみは、自分の居場所をもとめ美大受験のため予備校に通い始めます。 そこで出会った人たちとの関わりの中で、閉ざしていたつぐみの心が少しずつ解き放たれる様子をゆっくり繊細に描く傑作です。 最初は能面のような顔のつぐみに読者として取っ付きにくさを否めなかったのですが、不器用ながらも自分に正直なところや、時たま見せる笑顔から目が離せなくなります。 受験シーズンに将来の不安にかられたり、人とつるむのが苦手でまわりと同じ青春時代を送れなかった人間には非常に刺さる部分が多いです。 ケータイコミック連載だったそうで、一コマずつ読んでいく形式なのですべてのコマが同じ大きさなので、窓から覗いているような感覚にもなり面白い。
38歳、ふと高校生に撮った華子という同級生の女の子の写真から「何者かになりたかった」あの頃を思い出す。青少年期の感傷が年相応に色褪せて描かれている。そこには特別な強い想いがあるようには描かれていない。もはや遠い思い出だからだ。だからこそリアリティがある。 「あの頃」があった全ての大人に響くであろう作品。
友だちという概念の解像度が高すぎる。 友だちは大切にしようと幼い頃から教えられてきたのに、些細なきっかけで失うこともある。 結婚、出産、恋人の有無、性別など、誰も悪くないことが理由で疎遠になってしまう。優先順位が変わったり大事なものが増えたことを裏切りのように思ってしまう。 友だちとくっついたり離れたり依存したり出会ったりしながら、自分を見つめなおす女性たちのお話。 友だちというか人間そのものがめんどくさいな…と思ってしまうけど、最後まで読むと友だちに連絡したくなるはず。 なんだかんだ友だちって大切です。