「長編を描きませんか」…手塚治虫の言葉に導かれ、大阪日の丸文庫からマンガ家デビューした少年・勝見ヒロシは、松本正彦、さいとう・たかをなど同期の作家との交流を通じ切磋琢磨する中でいつしか「マンガではないマンガ」を目指し始める。手の追随ではなく、発展、継承――コマと時間のシンクロによって現代のマンガ表現に大きな影響を与えたルーツ・オブ・オルタナティブ・マンガ=劇画の勃興期を活写し国内外で絶賛された大作、前編。『まんだらけマンガ目録』(まんだらけ出版部・季刊)8号~22号(1995年3月~1998年9月)、『まんだらけZENBU』(まんだらけ出版部・季刊)1号~8号(1998年12月~2000年9月)、本書は、「劇画漂流」(青林工藝舎・2008年11月20日発行)を一部再編集したもの。
現代漫画家自選シリーズ⑩
劇画ゴッドファーザー、世界のタツミが描く傑作麻雀漫画「懸賞狼」が電子書籍でついに完全復刊!!「何を言われようと俺は和了(あが)る、いや、俺は和了らなければならないんだ!」殺された妻の復讐の為、2億円の現金が必要な本堂は命を削って旅打ちを続ける…!雀ブラーたちの哀愁、孤独、鬼気迫る生き様、数々の人間ドラマを「劇画」の命名者・辰巳ヨシヒロが時に熱く、時に切なく、卓越した筆致で描く!誰もが驚く、衝撃のラストシーンは必見!!
聖天信仰の由来とその正しいあり方を、博打好きな江戸の大工・末吉と恋女房・おみつの転落の人生を通して探る。
空を自由に飛ぶ人間を見た-という妄想にふける登校拒否症の高校生カンペー。ある日カンペーは、父の友人で修験道の行者であるクマさんに出会う。不思議な霊力をもつクマさんに1日でカンペーの心は引きつけられる。そしてその秘密を探るために奥がけ修行に参加する。そこで明らかにされる修行の実態とカンペーの心の動き…。カンペーは力強く成長してゆく。
文治三年(一一八七)四月、栄西は四十七歳にして再び宋に渡った。天台山万年寺で虚庵懐敞に出会い、臨済宗黄龍派の法をつぎ、帰朝。九州を拠点に活発な布教活動を開始する。そんな栄西を待ち受けていたものは…。宋の禅院で得た体験をもとに、『喫茶養生記』を著し、日本に茶を広めた茶祖としても知られる栄西。果敢にも二度にわたる入宋を果たし、わが国に臨済禅をもたらした栄西の情熱に満ちた生涯を描く。
社員食堂の管理をみずからかって出て、きのうまで部下であった人間にまで頭を下げる松井。そんな彼を人は密教型人間といった。密教的生き方とはみずから大日如来となって生きていくことである。煩悩をもった凡夫であるわたしたちもまた、大日如来になって生きることができる。自分の中にある仏性に目覚め、大日如来のことばを聞き、直接受けとめる密教的生き方を松井の姿を通して探る。
比叡山延暦寺は、後に各宗派の祖師を輩出したいわば当時の総合大学であった。その比叡山延暦寺を創建し、わが国に天台宗を樹立したのが伝教大師最澄である。真理を追い求めて山に入り、唐に渡り、また論争を重ね、活動し続けた最澄。旧来の仏教を越え、大乗仏教をこの国に定着させた最澄の生涯をドラマチックに展開。
留学生ジョンは、提出期限の迫った大論文に、妙な男からコーヒーをこぼされ大弱り。しかし、この男はこの論文が駄作だと主張する…。
大木の下で瞑想するタケシのおじいちゃん。しかしおじいちゃんは、瞑想して空中浮遊する超能力者だ、という噂が広まった。そんな噂を耳にしたタケシは、おじいちゃんの秘密を探ろうと尋ねる。”大日如来のことばを聞き、ほとけになっていた”と言うおじいちゃん。密教では、生きながらにしてほとけになることができると言う。ほとけになって生きるその教えとは?おじいちゃんから聞く密教のはなしにタケシの心は引き付けられていく。
だるまに手と足がないのはなぜ?どうして片目なんだ?そんな疑問を抱いた貴史は、だるまについて調べはじめる。図書館で見つけた資料には意外な歴史的事実が書かれてあった。だるまはもともとインド地方の小国の王子として生を受け、やがて中国に渡って禅を広めた-という実在した人物だったのだ。しかしそれがなぜ今の形に…?だるま信仰の謎が解き明される。
大手柄を挙げた朝夕新聞のホープ・向井記者。迷宮入りが確実な事件を解決したことで、名探偵とおだてられるが、向井の弟・一も兄と共に大活躍していた。そんな二人が、ホテルで起きた密室殺人事件の謎に挑むが…。『わんぱく探偵』(さいとう・たかを)/ほか、『隣室の男』(松本正彦)/『呪われた宝石』(桜井昌一)/『まだらの紐』(高橋真琴)/『鸚鵡』(久呂田まさみ)/『私は見た』(辰巳ヨシヒロ)/など、全6作品を収録した劇画短編集第1巻!ハードボイルド劇画の世界は必見の価値ありです!