もののけが人に紛れて暮らしていた江戸。町娘のちさも、夜になると夜鷹に変身し、男の精を吸い取る女妖怪としてうわさになっていた。彼女にはある目的があったが、ある夜佐々木という侍に見破られ説教されてしまう。彼の正体が気になるちさは、その住処に押しかけるが、相手のペースに乗せられ体を奪わる。初めての悦びに、ちさは夜な夜な宅に通い、昼は出会い茶屋で求め合うようになっていく。そのころ巷では、あやかしがからんでいるらしい火事騒動が続いていた……。お江戸を舞台にした、一途な娘妖怪と不思議な侍との恋絵巻が始まる!
結婚式直前に交通事故でユウジを失ったサナ。ところが一週間後の夜、落ち込んでいるサナのアパートに、生前の姿のままのユウジが現れる。幽霊の出現に驚くサナだが、彼は触る事もキスする事もできた。そしてサナは、愛おしさからユウジに迫られるままに体を重ねてしまう。そしてユウジは、土日以外の夜は訪れると告げて、毎夜来るたびに彼女を抱き続ける。しかしサナは、幽霊のはずのユウジがゴミ箱にある物を捨てていくのに気づいた。果たしてユウジのよみがえりには、サチも忘れていたある秘密があった。愛にあふれる幽霊談の結末は……!?
平凡な大学生・あかりはある日、爽やかで濃い顔の青年に道を尋ねられる。「お礼をさせて下さい」と迫る青年・コモ。一週間後、彼女は南の楽園・リブオリ島にいた。なんと彼は、リブオリ王国のプリンスだったのだ! 異国の風と潮騒の音、そして太陽のようなコモの情熱的な誘いに、あかりはつい身を委ねてしまう。海岸で、王宮で、コモは大喜びであかりをますます大胆に攻めていく。結婚という展開に戸惑うあかりに対し、まったく意に介さないコモ。二人は、王国に伝わる試練の洞窟で二人の愛を確かめる事になるが……。南国の開放的な王子とのロマンス談!
大手洋菓子チェーンの美形社長にして一流パティシエ・加賀見リョウ。彼に一目惚れしたかのこは、見習いパティシエールとして働き始める。両親が上京の条件にしたのは、やり手の叔母に紹介された教師宅での下宿だった。出迎えに現れた秘書然とした女性に案内されたのは、高層ビルの上階の豪華な部屋。そしてそこに住まうのは、加賀見リョウその人だった。驚く彼女はその秘密を聞かされ、ここを住まいとして系列店へ見習いに通う事になる。やはり社内でもリョウに憧れる女性は多く、かのこは友人を作りながらも極秘の二重生活をおくるが…
鳴瀬ユキは残業の帰り道、夜道で魔物に襲われる。不思議な技を使いその危機を救ったのは、漆黒のスーツに身を包んだ青年「ナナシ」だった。彼は吸血鬼と人間のハーフの退魔師だった。ユキは彼女を守ろうとしてナナシが噛んだ牙の快感が忘れられなくなる。そして大敵に狙われたユキの護衛に同居を始めたナナシも、彼女に惹かれていく。ある夜、ついにナナシは囁いた。「これ以上、ユキを危険な目に遭わせたくない。だけど今は……キミが欲しい」それは人外の者との愛欲の始まりだった。吸血鬼の胸に顔をうずめ、ユキは魔性の愛撫に身をのけぞらせていった…。