※ネタバレを含むクチコミです。
ダンジョン飯を全部読了したあとこれを読むと膨大な試行錯誤と作者自身の納得を持って描かれたことがわかり、「マジパネェ!」って気持ちになりました。 漫画も追加されてるので「ダンジョン飯 ワールドガイド 冒険者バイブル」の続編としても違和感なしの大満足な内容でした。 それにしても絵がうますぎるし、作者が絵を描くのが好きだってのが伝わってきてこちらまで楽しくなりますね。
自由にいきるとは何か 欲望とは何か 社会で暮らしていくとはどういうことか 善悪とは何か 食べるとはどういうことか 現実世界を遥かに凌ぐ多様な人種、生物種、民族、価値観が絡まり合いながら各々がそれぞれの“明日”と向き合っていく。 猫のように気ままに振る舞ってきた獣人のイヅツミはいざ自由な地上に放り出されたことで、本当の自由とは何かという問いに直面する。 そんな戸惑う彼女にマルシルは、嫌いな野菜も我慢して食べ、よく運動し、健康で長生きしてほしいと懇願する。すなわち、自由とは何かという深遠なる問いに対する一つの手がかりとして、「健康に生き続けること」こそが自由を叶える方法なのだと一つの“道”を提示したではなかろうか。 というか自由とか欲望とか語りだすと収集がつかなくなるので簡潔にまとめると、たとえファンタジー世界であろうと変な奴らばっかであろうと、飯を食うという普遍かつ不可避な事象の前ではその人なりの哲学や生き様が現れる。人は思考や欲求によって食事をし、食事によって作られた体、食事によって生きながらえた生がまた新たな思考や欲求を生むのだ。
最後まで九井諒子だった。 ダンジョン飯のストーリーはこれまでの九井諒子作品と比べると考察が捗ってしまいそうな深さになってしまっており、正直どうやって風呂敷たたむんだろうとハラハラしていた。 そんなものは杞憂だった。 ダンジョン飯はダンジョン飯のまま、魅力的すぎる登場人物たちも相変わらずで大団円を迎えることができた。素晴らしい。とても好き。
ダンジョンの深部でドラゴンに喰われた妹を助けるためにライオスのパーティがダンジョンに再度潜るファンタジー。消化される前に急ぐぞ!て感じで始まるのにすっごいゆっくり行く。ダンジョンでモンスターを食べながら進む姿はほんとグルメ漫画。美味そう。完結してるのでイッキ見するもよし、アニメから入って原作を見るもよし。どちらにしろ絶対ハマるから。
一巻を読んだあとにこの漫画おもしろいよねと友達に話したら、作者の短編集をたくさん貸してくれた。 ハイファンタジーの世界を本当に実在するかのように描くのが上手な作者さんだと思う。 「悪食令嬢と狂血公爵」に登場する魔物はすべて毒を持っているけど、こちらはそういう設定がないので、好奇心旺盛なライオスが食べる決意をしても不思議ではない。 ただ、スライムは現実に存在するとしたら、あの洗濯糊で作ったような見た目なんだろうか。ゼリーと思えば食べられなくはないんだろうか。 想像だけで尻込みしてしまうので、ライオス以外の一行は貧極まったとはいえ、なかなか勇気がある。 こちらの世界でいえば、最初にぶどう酒を飲んだ人、ナマコを食べた人、干し柿を食べた人、他に何があるだろう。 得体のしれないものを食べてきた先人は偉大だ。 漫画は巻がすすむほどにシリアス展開になり、魔物料理に我々も慣れていくのが寂しいところ。 追記 最終巻まで読んだ。 生きがいとはなにか。 食べるとは。 そして、ライオスはどこまでもライオスだった。
トルネコの大冒険をプレイした事ある人は共感するんじゃないかな? ダンジョンを制するには、強い武器でも高いレベル、豊富な回復アイテムでもなくて、パン(食べ物)が最も重要だって事。 冒険していると腹が減るよね。 確かに、敵を食べるという発想はなかったな。 銅の剣だと全くダメージが与えられなかった「おおさそり」を鍋にしちゃったりします。美味しそうなんだよなー
グルメもの、続きが結構出ててびっくり。 一発屋ぽかったから、ここまで続くとは思ってませんでした。 全体的にコミカルな感じで進みますが、ストーリー面白いです。 生きるためと言いつつ美味しくして魔物を食べる彼らは、生存本能が高くて冒険者には向いてる思考ですね。 レシピも書いてあってなかなかに美味しそうです。 カバーの素材感も手に馴染んで素敵です。 作画も安定してて、安心して読める。
大好きな作品の1つです。 九井諒子先生自体 「九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」 で初めて知ったのですが、オチが予想できないというか、童話のようなハッとする発見があって、めちゃくちゃ感動したんですよね。 今まであまり読んだことないタイプの衝撃でした。 その後も「ひきだしにテラリウム」など短編をあさってましたが、いかんせん作品数が少なくて悶絶していた中で、 この「ダンジョン飯」が連載開始! ということで、1巻から小躍りしながら楽しんで読んでおります。 上記短編同様、独特の発想力が本作でも健在。 「ダンジョンで何を食べているのか?」 というゲームやっている人間なら誰しもがもつ疑問を 「モンスターを食べている」 という斜め横の展開を見せつけてくれました。 しかも、誰が参考にできるのか?と言いたくなるようなレシピまで載っている丁寧さに感服しました。 ここまで非現実的なことやっておいて、例えば、クラーケンについた寄生虫を蒲焼きにして食べて、その寄生虫に食あたりおこすといった、ごく普通に食中毒を起こす描写もあるので(モンスター食べたらどれも食中毒起こしそうだし)、謎のリアリティも出してくるから、より面白くなるんですよね。 神は細部に宿る と言いますが、細かい設定を丁寧に描いているから全体がまとまっている感じがします。 思い残すことといえば、 笑い飯がM1決勝までいって何度も優勝逃したように、ダンジョン飯もマンガ大賞に何度もノミネートされて結局とれなかったのが、個人的に残念でした。 それくらい斬新で面白かったのですけどね。 11巻で、物語も最終章?に突入とのことですが、最後まで目が離せない展開なのと、結局何が一番美味しかったのかライオスが総括してほしいなぁと思いました。
※ネタバレを含むクチコミです。