嘘をつくと狼になっちゃう呪いがかかった4兄弟の末っ子満四郎が、ついに自分の生き方を決める! 大学卒業後家事手伝い(実質無職)となった主人公満四郎は、現状にうんざりしていた。あこがれの赤塚さんともいい雰囲気だったのに、無職では何かと引け目を感じてしまう。甘やかして来る兄たちを振り切り、自立を目指してバイトにもチャレンジするが失敗ばかり。そんな中、ひょんなことから書いた文章が編集者の目に留まる。小さな一歩だけど少しずつ、もしかしたらこれを生業にできるのでは――? という気持ちに。しかし、フィクションである小説は、書くたびに狼に変身することになり、創作活動をがんばればがんばるほど赤塚さんには会えなくなっていく。しかも、狼少年の子孫である彼らは、変身しすぎると徐々に狼から人間に戻れなくなっていくのだ……。 人に喜んでもらうための嘘をつき続ける人生を選べば、人間ではいられなくなる。嘘をつかずに生きていけば、人間ではいられるけど、天職とも思える仕事ができなくなる。人生におけるこの最大のクエスチョンに、24歳の満四郎はどういう選択をするのか? そして3人の兄たちはそんな満四郎にどう対峙するのか? それぞれの人生が進む新章『狼少年は嘘をつかない question』が始まる!

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構成/松永きなこ

表紙に惹かれて1巻読んでみたらグサグサ刺してくるお仕事マンガだった

構成/松永きなこ 清水しの ピエール杉浦
nyae
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学生時代の一番の思い出は、イケメン男子に笑顔で話しかけられたこと。 そんな三軍のオタク女子のまま25歳になった松永きなこ。 お笑いが大好きで、ラジオでハガキを読んでもらうことが何よりの幸せ。そんな中ある出来事をきっかけに「放送作家」という職業を知り、こんなにも自分の"好き"が詰まった仕事はない!と、なりたい気持ちが湧き上がる。 が、だいたい想像ができるように、なろうと思ってなれる職業ではない。作品の中で挙げられる代表的な放送作家は、鈴木おさむや秋元康など雲の上の存在。 学歴もコネもないきなこは、お笑いライブを担当していた放送作家に声をかけ、根性で企画をいくつも提出するも、ぶっ倒れるほど面白くない。そんな中でも運良くとある新番組企画の会議に参加できることになるが… ここからわりと心がえぐられる展開。 クリエイターやメディア関係の仕事を志した経験があると分かる人が多いかと思いますが、好きなことだけをやっているとどうしても自分の実力を過信しがちで、いざ新人として業界に足を踏み入れた時、自分の無力さ、無能さ、凡庸さを思い知ってプライドがズッタズタのボッロボロになります。 きなこは完全に心が折れて、自分がここにいてはいけないと思い親の病気をでっち上げて逃げようとしますが、鬼のように怖かった制作会社の社長がきなこに大変ありがたく優しいお言葉をくれるというところで1巻読了です。 きなこは最高にツイてると思いました。だって普通だったら「あ、そう」で終わりなのに。 また、きなこの同級生で当時一軍として輝いていた人たちも同じように25歳になっているわけですが、今も一軍でい続けているということは全く無く、環境が変われば誰もが三軍なんだということもちゃんと描かれています。それもわかる…今ならわかる! まだ何も手にしてない、身についてない、実績がない時にもがき苦しんだ記憶はなるべく思い出したくないものですが… 自分が何歳のときに読むかによって、捉え方が大きく変わる作品ってありますが、これがまさにそうで、20代前半の自分に読ませたいなと思う半面、むしろ30を過ぎた今のほうが刺さるかもとも思いました(思い当たることがある人は特に)。 原作のピエール杉浦さん自身の経験をほぼそのままマンガにしたとあとがきに書いてありました。ピエールさんは一旦辞めて田舎に帰って、やっぱり諦められなくてもう一度チャレンジしたそうです。 まだ1巻を読んだところですが、4巻まで一気読みしてしまうと思います。

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