美麗な表紙絵に惹かれて見てみたら、『密かな花笑み』のゆめみつきさんの作品でした。となれば、内容もきっと良いものだろうと安心して購入できました。 大学デビューしようと気合を入れたらパンクな格好になってしまい、余計に人が離れていって失敗した主人公・未結花(みゆか)の残念ぶりが悲哀を誘いつつも面白い、「Xジェンダー美人とコミュ症ぼっちのプロデュースコメディー」(公称)です。 とにかくカタカナ語に弱い主人公で、 「カラバリ」→「カラアゲバリア?」 「ホカンス」→「ソーナン◯?」 といった具合。「メドゥーズピンク」も「ティント」もなにがなにやらわからない……! 挙げ句の果てには、コンパで 「好きなタイプは?」 と問われたら 「に…人間…?」 「ストライクゾーン広くない?」 となる始末。おもしれー女です。 でも、『ぼっち・ざ・ろっく!』のぼっちちゃんではないですけど、こういうコミュ症で陰な気質の主人公の方が現代では逆に強い共感の対象になり得そうです。 ゆめみつきさんの美しい絵が本作の魅力の大半を担っていると言っても過言ではないと思いますが、未結花の憧れの対象となる親戚のXジェンダー・千亜季(ちあき)がそれはもう睫毛もバッシバシで美しく美しく描かれていきます。相手役が男性なのか女性なのか、そのどちらの要素も感じさせながら判然としない、でもそれはそれでいいと感じさせられるのも現代的です。 千亜季にプロデュースされることで、少しずつかわいくなっていく未結花の成長ぶりも見所。素材が良い子は磨いて真価を引き出したくなりますよね。 コミックシーモアで先行配信されていた作品で、全8巻中の1〜5巻まで今週末に他の電子書籍ストアでも相次いで発売となりました。6〜8巻分は3/26発売予定となっており、最後まで楽しませてもらえそうです。 なお、ゆめみつきさんは一迅社の新レーベルであるコミックHOWLでの新連載も控えているようで、そちらも楽しみです。
中高一貫・全寮制の男子校であった百合丘山上高等学校は、女子校との合併により共学化することが決定します。 5年間全寮制の男子校で過ごしてきた高校2年生の生徒たちにとっては「女子高生」とはもはやペガサスと同じ"空想上の生き物"。 この作品は高校の共学化により女子高生が身近に存在するという、ほとんど"異世界転生"に近い環境に身を置くことになった男子高校生4人の様子を描く作品です。 実はこの作品はピン芸人のルシファー吉岡さんが「R-1ぐらんぷり2019」で披露したコントを原案とした作品です。 元々のネタは吉岡さんが高校教師を演じる形なのですが、この作品は男子高校生4人の視点を中心に描かれていて、より「"女子高生"という未知の生物の存在に戸惑う男子高校生たち」の解像度が上がり、この状況の面白さが増しているように思います。 実は自分たちと同じ普通の人間である同級生の"女子高生"に対してどんどん不思議な考察を繰り広げていく男子高生の様子が掛け値なしに面白いコメディ作品です。 1巻まで読了
美麗な表紙絵に惹かれて見てみたら、『密かな花笑み』のゆめみつきさんの作品でした。となれば、内容もきっと良いものだろうと安心して購入できました。 大学デビューしようと気合を入れたらパンクな格好になってしまい、余計に人が離れていって失敗した主人公・未結花(みゆか)の残念ぶりが悲哀を誘いつつも面白い、「Xジェンダー美人とコミュ症ぼっちのプロデュースコメディー」(公称)です。 とにかくカタカナ語に弱い主人公で、 「カラバリ」→「カラアゲバリア?」 「ホカンス」→「ソーナン◯?」 といった具合。「メドゥーズピンク」も「ティント」もなにがなにやらわからない……! 挙げ句の果てには、コンパで 「好きなタイプは?」 と問われたら 「に…人間…?」 「ストライクゾーン広くない?」 となる始末。おもしれー女です。 でも、『ぼっち・ざ・ろっく!』のぼっちちゃんではないですけど、こういうコミュ症で陰な気質の主人公の方が現代では逆に強い共感の対象になり得そうです。 ゆめみつきさんの美しい絵が本作の魅力の大半を担っていると言っても過言ではないと思いますが、未結花の憧れの対象となる親戚のXジェンダー・千亜季(ちあき)がそれはもう睫毛もバッシバシで美しく美しく描かれていきます。相手役が男性なのか女性なのか、そのどちらの要素も感じさせながら判然としない、でもそれはそれでいいと感じさせられるのも現代的です。 千亜季にプロデュースされることで、少しずつかわいくなっていく未結花の成長ぶりも見所。素材が良い子は磨いて真価を引き出したくなりますよね。 コミックシーモアで先行配信されていた作品で、全8巻中の1〜5巻まで今週末に他の電子書籍ストアでも相次いで発売となりました。6〜8巻分は3/26発売予定となっており、最後まで楽しませてもらえそうです。 なお、ゆめみつきさんは一迅社の新レーベルであるコミックHOWLでの新連載も控えているようで、そちらも楽しみです。