認知症の出始めた母と50代の「精G」というあだ名の男が主人公のお話。日々暴走する母の妄想とそれに振り回される息子。美談にならない、男の介護と心情の物語。作者の実体験に基づくリアルな作品です。
叡山を追われ京に流れてきた弁慶。口入屋の持ってきた公達の家から盗まれたという家宝の太刀を探すアルバイトを請け負ったのだがそれがいつしか人気を呼び、五条坊門の大橋完成イベントで源氏の御曹司「五条の禿殺し」こと牛若丸を相手に太刀取りを披露することに…!心優しき弁慶と美しく凶暴な牛若丸の対決の行方は―!?
天才漫画家、ひさうちみちお。1976年、パリの公衆便所で客を漁る美男子を主人公にした『パースペクティブキッド』が 「ガロ」新人賞に入選し、その後は同誌を中心に活躍。80年代にはニューウエーブ漫画の騎手として脚光を浴び、常識を覆す手法で漫画界に衝撃を与えた。この『ラビリンス』には、天才漫画家、ひさうちみちおの処女作である『パースペクティブキッド』が収録されている。【目次】 帽子屋と迷路 パースペクティブキッド ラバンナジールの愛の夢 病院の午後 パルメランの孤独 突き棒を蹴って棘を得る 嘆きの天使 愛妻記etc
天才漫画家、ひさうちみちお。1976年、パリの公衆便所で客を漁る美男子を主人公にした『パースペクティブキッド』が「ガロ」新人賞に入選し、その後は同誌を中心に活躍。80年代にはニューウエーブ漫画の騎手として脚光を浴び、常識を覆す手法で漫画界に衝撃を与えた。天才漫画家、ひさうちみちおは、(1)アート系、(2)エロ系、(3)文章+イラストの3つの世界を描く。『オーロラ 森の奥の永い睦言』は(3)に分類される作品だ。
ひさうちみちおデビュー作「パースペクティブキッド」が収録された1冊。聖人のいかがわしい話からシリアスな物まで、ふりはばの広い宗教の世界を堪能できます。
日記あり、評論文あり、マンガありのごった煮本。何と5ページには「神様」がいらっしゃるそうです!実にお買い得な一冊。畏れ多くて解説文など書けません!
アメリカ軍が隠したアレを探し続けている中尉、飯盒になってしまった軍医、交通事故で両親を無くした子供のために募金を募っている宇宙人…戦争がとっくに終わっていることを知りながら、戦犯になるのが怖くてジャングル生活を続けているヨコイ軍曹と彼らが、シュールな不幸に執着する姿を描く傑作。表題作を含む全8編を収録。
悟りを開いたおしゃか様は、以前に修業していた時おしゃか様が誘惑に負けたと思って去っていった五人のもとに行きました。あれが来ても口を利くなと言っていた五人でしたが、おしゃか様に会うと、ありがたいようなもったいないような気持ちになり、弟子にしてくださいと言いました。するとおしゃか様は、りっぱな悟りを開いた顔を剥き、次の顔も剥き、変な顔になって、ものごとをうわべで判断してはいけないと教えたのです。表題作を含む全11編を収録。
「彼を捕まえたら、私の家に連れて来るんだ」私はパルメランにそう命じたが、パルメランは私の妻と密通し、妻からは彼を殺せと言われていた。私は地位も金もある男爵。その私が“恋”をしたのだ。街の与太者…公衆便所でカモを漁る美しき野良犬に…。サーカスの人気者がテントを出て、広場や公園で大道芸をやっている、その名はパースペクティブキッド。多くの男色趣味の爺さんが、彼に乱暴され大金を巻き上げられていた。奇術を使う美少年をめぐって、殺人まで起こる愛憎劇が繰り広げられる…。
山本のおじいさんがワタナベさんに拾われたのは、ニッポンが戦争に負ける前のことです。体中すっかり錆びついて、夢の島に棄てられていたのをワタナベさんが持って帰って造り直したのでした。おじいさんはワタナベさんに大変感謝して、下男として働かせてもらう事にしました。でもニッポンが終戦を迎えてからは、デモクラシーがリバイバルして、ロボットの解放運動が起こってきたのです…。家族、老人問題に、変化球でメスを入れる怪作。もう一つの「鉄腕アトム」か?
不条理?アート?マンガ表現のエッジを軽やかに走り抜ける、天才・ひさうちみちおの華麗なる作品世界をじっくりとお楽しみください。
ぼくの家はお金持ちです。ぼくは箱庭をつくりました。プラモではなく、本物の素材で牧場をつくったのです。出来上がってみると、何か物足りないと感じ、それは牛だと気がつきました。でも箱庭の牧場に本物の牛は入りません。偽者が嫌なぼくは、牛肉を買ってきて入れる事にしました…。ファンタジーではなく、人間の歪みに焦点を当てた、どこか怖い短編集。
エログロナンセンスも突き詰めれば現代美術だ!思わず目を伏せたくなるはずのぎりぎりのネタも、天才ひさうちみちおの手にかかれば、アーティスティックなマンガにはやがわり。独特の乾いた画面からにじみ出る下品と上品の混沌を体感すれば、脳が嬉しい悲鳴を上げること間違いなし!
叡山を追われ京に流れてきた弁慶は、口入屋の持ってきたアルバイトで、公達の家から盗まれたという家宝の太刀を探すことになった。多分どこかの武者の手に渡っているはずと、片っ端から道行く武者をぶっ倒して太刀を検めるという、大雑把な方法である。それがいつしか人気を呼び、弁慶は戦で人が死なぬようにと太刀千本奪取の大願をかけたのだと噂された。折りしも大雨で流失した五条坊門の大橋を再建する平清盛たちの動きがあり、その完成記念に弁慶千本目の太刀取りを行わせようというイベント計画が進んでいく。相手に選ばれたのは、源氏の御曹司で禿(かむろ)殺しの常習犯・牛若丸!心優しい弁慶と、美しく凶暴な牛若丸の対決が迫る!!※角川書店の単行本を分冊しております。
2500年前、ヒマラヤの麓にカピラバスという国がありました。カピラバスのお城には、情け深いスッドダーナ王と優しいお妃のマーヤ様が住んでいました。ある日マーヤ様は夢をご覧になったのです。空から白い象が降りてきて、マーヤ様の○○のなかに入りました。その時同じ部屋で、スッドダーナ王は椅子に座ってうたた寝をしていたのですが、夢の中でマーヤ様の夢をのぞき見てしまったのです。そのあまりの恐ろしさに、スッドダーナ王は御夢精をなさり、宙を舞われた御液がマーヤ様のアノ部分に入っていったのです…。長~い十月十日の物語。恐れを知らぬ、釈迦誕生奇話!
托卵と言う習性を持つ鳥・カッコー。その名を冠せられた、カッコーと呼ばれる民族がいた。彼らは昔から自分の国を持たず、少人数の集団を作って各地を巡り、芸を見せて日々の糧にする暮らしを送っている。そんな彼等が、金で産婆を買収して、次々と自分達の子を各家庭に送り込み、世界を支配しようとしていると言うのだ。それが本当なのか?証拠があるのかは、問われなかった…。ある殺人事件に関するカッコーたちへの疑惑を晴らそうとする修道士と、その事件を審理するリベラルな判事の養子を中心に展開する、差別の諸相。深い、…です!
残酷なる愛の童話は、偏愛的、且つ孤独だ。だまされてはいけない。やさしさとおしゃれな仮面の下にある毒性を、歪みを、怨みをひさうち作品で味わうべきなのだ。(米沢嘉博解説より)
理髪店主は子供時代、体が弱かった。小学校五年生頃には登校しなくなっていた。その頃彼の家は裕福だったので、家庭教師をつけてもらう。彼女は父の愛人でもあった。父への憎しみから、彼女は理髪店主に体罰を加えていたが、逆に彼は家庭教師に対して性的な憧れを持つようになる。ある日、家庭教師が帰った後、彼女の座った椅子に顔を埋めているところを発見され、理髪店主はじかに彼女の股間を顔に押し付けられた…。マゾやスカトロの魅力に取りつかれ、飽きることなく真の恥ずかしさを求めて生きた男の物語…。