没イチ

大切な人の死の哀しみ方がリアル

没イチ きらたかし 小谷みどり
六文銭
六文銭

配偶者と離別した場合はバツイチだが、 死別した場合を「没イチ」と称し、それがタイトル名になった本作。 妻が眠りながら急死し、突然、独り身になってしまった主人公。 葬式だとか親族挨拶だとか日常業務とかで、あれよあれよと忙しく過ぎる日々に、妻の死に対する感情が薄れていってしまう。 哀しみ方を忘れ、そこに違和感を感じながら日々を過ごしていると、 ひょんなことで友人に誘われた婚活パーティーである女性と出会う。 彼女もまた配偶者と死別していた。 同じ境遇に同調した2人は、彼女の誘いで、45歳ながら若者にまじってシェアハウスをするという流れ。 本作が魅力的なのは、大事な人が死別した後、残された当事者の感情の変化を丁寧に描いていて、非常に共感がもてるんです。 すごくよくわかるんです。 年月をともに重ねた人の死は、簡単に整理することはできないし、 涙でごまかせるもんでもないと思うんです。 だけど、ふとした瞬間、ホントに何気ない瞬間に、 喪失感を感じて涙が溢れる。 こういった描写が描かれていて、おそらく経験に基づくものなんだろうなとリアリティを感じさせます。 主人公が、シェアハウスで多くの人と過ごすことで、少しでも哀しみが癒え、次の一歩を踏めることを応援したくなります。 ただ、3巻(2021年11月時点で2巻)で終わるみたいなので、とても残念です。 じっくり丁寧にすすめている作品だっただけに、願わくばキレイに終わってほしいなと思います。

【過去ログ】きょうの新連載&読切まとめ
小谷みどり 《読切》「天才料理人 中島の憂鬱」高島正嗣 【FEEL YOUNG】 《読切》「キャット・ラブ・クラブ」青化 ◇◇◇2020年12月7日(日)◇◇◇ 【週刊ヤングマガジン】 《読切》「機龍警察」イナベカズ/月村了衛/フクダイクミ 【週刊少年ジャンプ】 《読切》「約束のネバーランド 特別番外編 自由の空を求めて」白井カイウ/出水ぽすか 【good!アフタヌーン】 《読切》「だから、いっしょに帰ろう」凪松ひろ 《読切》「谷の向こうの吉沢」中野美八 ◇◇◇2020年12月4日(金)◇◇◇ 【ジャンプSQ.】 《読切》「木こりと迷いの森」尾高健太郎 《読切》「ソーマキルの予告」古屋兎丸 《読切》「伝説の出前ロードチャンピオンシップ」三原すばる/平井善之 【月刊少年マガジン】 《読切》「七つ星の悪魔」日高達哉 【ミステリーボニータ】 《読切》「カラオケ24」西荻亨 【月刊少年チャンピオン】 《読切》「青く輝け」植木陽介 《読切》「蝉丸忍法帖」畠山和隆 【週刊漫画TIMES】 《読切》「黒猫」郷本 【漫画ゴラク】 《新連載》「アウトロー日本昔話」島崎康行 ◇◇◇2020年12月3日(木)◇◇◇ 【週刊少年チャンピオン】 《短期集中連載》「ハートビートシャウト」菊地祥代 【週刊ヤングジャンプ】 《読切》「身代わり献上飯」岩井トーキ 《読切》「恋する空中魚」南文夏 《読切》「リリィガ様とお呼び!~新人女幹部研修中~」藤田阿登 ◇◇◇2020年12月2日(水)◇◇◇ 【グランドジャンプ】 《読切》「#DRCL midnight children」坂本眞一 【週刊少年マガジン】 《読切》「甘神さんちの縁結び」内藤マーシー ◇◇◇2020年12月1日(火)◇◇◇ 【漫画アクション】 《読切》「愛しのアニマリア 特別編」岡田卓也 【なかよし】 《新連載》「SHAMAN KING & a garden」武井宏之/ジェット草村/鵺澤京
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