ペネロープ・バジューのプロフィール

ペネロープ・バジュー(Pénélope Bagieu、1982年1月21日 - )は、フランスのバンド・デシネ作家(漫画家)、イラストレーター。現代に暮らす等身大の女性の生き方を、カラフルな色彩とユーモラスな画風で描いた作品で知られる。
新聞や雑誌への寄稿をはじめ、各種の広告プロジェクトへの参加、女性肌着コレクションのデザインに携わるなど、漫画以外の方面でも活躍しており、本国では社会に影響力のある女性100人に選出されるなど、オピニオンリーダー的な存在となっている。

エロイーズ 本当のワタシを探して

物語の始まりのシーンが好き

エロイーズ 本当のワタシを探して 関澄かおる ペネロープ・バジュー ブレ
ANAGUMA
ANAGUMA

本作、ベンチに座っていたエロイーズがふと記憶喪失になっていたことに気付くシーンから始まるのですが、その自然さがなんだか巧みで、ピンク色のカラートーンとともに強く印象に残っています。 メインとなるストーリーラインはサブタイトルにもある「本当のワタシ」探し。 少ない手がかりを元に記憶を失う前の自分がどんな人間だったのかを調べていく…と書くと壮大なミステリーやサスペンスのようでもありますが、そうそう大変なことが起こるわけでもないのが人生というものかもしれません。 どこにでも居る女性だった(と思われる)エロイーズ・パンソンの身の回りも、世の人のご多分に漏れずありふれた出来事ばかりだったようで、一生懸命過去の自分の身辺調査を行うほどに些細でちっぽけなことばかりが判明していきます。そのようすは親近感やおかしみと同時に、どこか空虚さというか、切なさも感じさせたり…。 「記憶を失う前の自分ってどんな人間だった?」というのを入り口に「そもそも根本的に自分ってどんな人間なんだろう?」という二重の意味で「本当のワタシ」を探すことになるのが妙味です。 そんな深いテーマもありつつ、バンドデシネとしてはかなり読みやすい部類に入ると思います。エロイーズのちょっとした仕草がどれもかわいかったり、普段縁遠いフランスでの「フツーの」暮らしが垣間見えるだけでも面白いので、読む機会があれば気軽に手に取ってみてほしい一作です。

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