行き場を失ったひとりぼっちの二人はそっと寄り添い合いながら雪解けの日を待っている――。戦争が終わって4か月経った冬の始まり、未だ戦争の爪痕の残る森で出会ったのは戦場しか知らない元少年兵のミェリと故郷を奪われた退役軍人キルヤシュカ。「戦後」を必死で生き抜く2人の逞しくも儚い雪国スローライフ!
人の時代が終わりを迎え、ゆるやかに静止してゆく世界。ロボットの人 蘇芳は、犬の人 ミュートを連れ添い自分を設計した博士≪ご主人様≫を捜す旅をしていた。道中で出会う、停止した時計塔、朽ちた学校、街だった廃墟。かつてそこに居た人々の名残りを感じながら蘇芳たちは今日も旅をし、おいしいごはんを作って食べる。もうすぐ終わる世界を巡る、終末スローライフ。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※
2013年、江ノ島に邪神が上陸した。いまや鎌倉周辺は“異界”と呼ばれる特異地域と化している。誰もが狂気に陥る中、怪異専門の心理士だけが正気を保とうとする人々の救いだった。無免許にして謎の心理士、島野偃月(しまのえんげつ)は「怪異を欲しているのは人間の方である」という信条を元に、邪神が引き起こすおぞましい事件を人の愚かさを暴きながら解決していく。彼と邪神に魅入られた人々が織りなす本格怪異譚。